銀座でも意外な盲点となっているのが、一度は前を通ったことがあるホテルやビルに入る店。
外観の印象はむしろメジャーだからこそ、知られざる店が潜んでいるとは思いづらいのだ。
そのギャップが大人の遊びのスパイスとなり、誰かを誘えば自然とストーリーが生まれてくる。
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1.話題のホテルのルーフトップバーは夜空の下の秘密基地
『The ROOF』
昨年3月、「松屋銀座」の斜向かいという一等地に華々しく開業した「東京エディション銀座」。ドアマンが立つ1階エントランスの洗練されたひそやかな佇いが話題となった。
2階には代名詞的バー『Punch Room Tokyo』が入り毎晩賑わっているが、意外と知られていないのが、屋上に存在する『The ROOF』だ。
ホテルが開業したのちにオープンした同店。春から肌寒くなり始める秋頃まで、今年は11月中旬まで営業予定の知る人ぞ知る穴場だ。
行き方はエレベーターに乗ってR(15階)のボタンを押すだけ。扉が開くと、そこは天空の植物園のような緑豊かな空間で、周囲は銀座の夜景。
ふらっと来て寛ぐ外国人宿泊ゲストが多く、屋外家具のセンスのよさも相まって、欧州のルーフトップバーの雰囲気もある。屋外にして足元は絨毯というのも、エディション的かつ銀座的。
まずは広い空の下、シャンパンでの乾杯から銀座の夜を始めれば、隠れ家テラスの最高峰となるだろう。
料理はすべて14階の『Sophie at EDITION』で作られて運ばれ、同店の人気メニューも含まれる。
ナッツが効いたヴィーガン仕様の「農園野菜のスパゲッティ」¥2,000。
2.日本一のうどん店には、並ばずに入れる高級店が潜んでいる
『銀座 別邸花山』
朝から行列ができる東銀座の『五代目 花山うどん 銀座店』。
『花山うどん』は群馬県館林市で1894年に誕生し、日本一のうどんを決める大会で3連覇を果たした老舗だ。その有名店が今年7月、銀座店の地下に和食の『銀座 別邸花山』を密かに開業。
ビルの地下へ下りると、世界が一変する静謐な空間が広がる。
カウンターに使用するのは樹齢300年超の木曽檜の一枚。その中で料理長が前菜、鰹の藁焼き、うどんなどを交えた8〜10品のコースを振る舞う。
最初に小麦で香りをつけ、最後に稲の藁で炙った御前崎産の鰹。
別邸でファン垂涎の逸品が、〆に登場する伝統の「鬼ひも川(超極太麺)」と別邸限定の「切麦(細切り麺)」の合盛りだ。
後者は奥深い出汁に負けぬよう小麦の外皮を練り込み打ったもので、忘れがたいつるりとした喉越しのあと、小麦のほんのり甘い香りが口いっぱいに広がる。
それは隠れ家を知る者のみが知る究極のうどん。上質な体験を求める人こそ、この東銀座の階段を下りるのだ。
3.チケットの取れない相撲観戦、銀座なら気軽にできるなんて!?
『東京相撲祭』
有楽町駅と銀座の間を通る高架下にある「銀座インズ」。その歴史は1958年に遡り、1990年に建てられた現在のビルは白壁を彩るオレンジのラインが象徴だ。
メイン通り沿いに立つゆえ存在は十分に有名。おなじみではあるが、まさかここで相撲観戦ができるとは、誰も思うまい。
そんなビルの地下1階に、今年9月に開業したのが『東京相撲祭』だ。
エンタメ要素満載の相撲体験ができる!
店名のとおり、元力士の技や稽古を見ながら食事ができる。店内には「両国国技館」と同じサイズかつ同じ土の土俵があり、「銀座インズに土俵が!?」という意外性は満点だ。
土俵周囲の席に着くと、まずMCが相撲の基礎知識を解説。
次に元力士が実演説明や大迫力の三番勝負を行う。そして客が参加するチャレンジ相撲でさらに盛り上がる。
食事のメインはちゃんこ鍋とあって胃袋まで国技に沿う。
気軽に体験することで、日本人も相撲の魅力を再発見し、刺激を得られる場所でもあるのだ。
4.モダンなホテルの隠し扉の奥にある昭和なスナックがいい
『木挽町クラブ』
いわゆるスナックは入るのに躊躇する人もいるだろう。しかし、昨年5月に開業した『木挽町クラブ』は、慣れない人でも安心して入れる。
なにせ場所は同時に開業した「ザ ロイヤルパークホテル 銀座6丁目」の2階。ただ、初見では少し迷ってしまうかもしれない。
フロントと同じフロアにある店の扉は、鏡の壁に溶け込む通用口のようで、中に店があるとは気付きづらい。
目印は、上部にさりげなく記された店名のライトだ。
20時以降、二重の扉を開けた先で出迎えてくれるのは美人ママ。ママの朗らかな笑顔にひとり客でもほっとし、また男性スタッフもいるのでカップルでも訪れやすい。
“銀座の昔のバー”をイメージしたという店内にはレトロなライトやスツールがそろい、昭和的な品が漂う。
U字カウンターなので国内外の客が一体感をもってカラオケで盛り上がり、ボン・ジョヴィから最新Jポップまでが毎夜響く。
上質なサードプレイスのように皆が寛げるのは、銀座のホテルこその環境のおかげでもあるだろう。
編集部員・髙橋が銀座でひとり、隠れてみた
“おひとりさまの達人”を目指している私。焼肉、お鮨、ライブに旅行と、自由なソロ活が好き!
でも、銀座の隠れ家というと大人なイメージが強く、ひよっこひとりで行くには気後れしてしまう場所。そんな中、ホテル内にある安心感と、取材時に優しく受け答えしてくれたママがいるスナックならとソロ参戦を決意。
金曜日の21時、店に行くと、お客は40代以上の男性が6人。場違いだ……と縮こまりながら着席。隣にいた2人組と目が合って、乾杯し、キープのお酒を一緒に飲む仲に。
次々流れる80年代のカラオケとお酒であっという間に私は上機嫌。
松任谷由実の「真夏の夜の夢」を歌うと、店にいる全員が合いの手を入れてくれて、さらに気分上々!
銀座の隠れ家で、またひとつ大人になりました。
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