会食の極意。
条件は、ひとり12,000円以内で、食事のクオリティはもちろん、落ち着いた空間、立地すべてを満たす店。そんなわがままな条件を満たす、選りすぐりの5軒をピックアップした。
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1.まさに高級割烹の趣。転じて少量多皿の連打が抜群のインパクトを与える
『荒木町 きんつぎ』@荒木町
本物を知る大人だからこそ欣喜雀躍する、飲める料理のオンパレード
『荒木町 きんつぎ』のおまかせコースは圧巻の全20品。名刺代わりの「一番だし」を筆頭に以降も小鉢や平皿が続々と提供される。
焼き物に鮑の一方で、茶碗蒸しにフカヒレ、煮物は牛ほほ肉と、意外な食材も登場するから心は浮き立ち、次は何かと楽しみになる。
そんな高揚感でもてなせる正統派の和食店だ。
カウンターに立つ、ふたりはともに複数の名店で経験を重ねた実力者。
佐藤正規さんは酒店で日本酒の造詣を深めた時期があり、北村徳康さんは高級鮨店で研鑽を積んだ実績があるため、日本酒のラインナップが充実し、料理には握りも含まれる。
どの皿も一見、素朴に映るが、その実、手間はかかっており、味わいはしっかりしていてお酒が進む。
荒木町という場所柄、会食需要は当初から多く、ならば期待に応えようと、いまは個室のみの2階を同じビル内に設けている。
左上:カツオと昆布で丁寧に引いた店の顔ともいえる「一番だし」でまず胃を温める。
右上:この日は淡路産ハモの炙りやマスの握りなどの「前菜盛り合わせ」。
右下:ほっと和んでお酒が進む「タコ桜煮」。
左下:お凌ぎの「太刀魚蒸し寿司」は銀餡仕立てで。
左上:カツオとクエ、ムラサキウニをそろえた「お造り」。
右上:一番だしで上品に仕上げる「フカヒレ茶碗蒸し」。
右下:低温の油でゆっくり煮た「イワシオイル煮」は頭から食べられる柔らかさ。箸休めの生落花生は千葉のオオマサリ。
左下:「完全に洋の味付けです」と北村さんが笑う「牛ほほ肉の煮込み」。和食から少し外れた変化をコース内に必ず盛り込む。
〆は旬の食材を使った名物の「せいろ蒸しご飯」。
デザートも自家製で用意する充実ぶりだが、食後感は心地良く、誘った側もこれ以上ない充足感で満たされる。
2.サプライズ感のある美しいひと皿の連続と夜景の相乗効果で、記憶に残る一夜にする
『Opuses』@銀座
会食において、ホテルのダイニングを選ぶというのは安心感が各段に違う。広々とした開放感のある空間と、上質な雰囲気は他では得がたい魅力となるのだ。
そして、ともすれば無難に流れがちな会食も、ここではガラリと一変する。
『Opuses』のシェフの十楚武志さんが手掛けるのはシンプルだが、エモーショナルな皿。コンテンポラリーなフレンチを思わせるビジュアルにゲストは心をときめかす。
ひと皿ごとに食材と真摯に向き合う姿勢も印象的だ。魚は名店御用達の焼津・サスエ前田魚店から、肉や野菜も信頼の置ける生産者から届く。シグネチャーの鴨料理には希少な窒息鴨を使っている。
オリエンタルスパイスを巧みに活かしたフレンチは、決して重くなく、女性ゲストにも好印象。しかもフリーフローというから驚きだ。
これからの季節なら、広々としたテラス席も格別だ。夜風を感じながらの会食は特別感を演出できる。
誠実さが際立つホテルのダイニングだからこそ、大切なゲストを安心して招ける確かな一軒だ。
3.名店育ちの店主が供する庶民派和食が、会食慣れした大人の懐をそっと開きゆく
『食堂わた』@新宿御苑前
「昼は食堂、夜は居酒屋」と明言する『食堂わた』の店主・櫻井 航さん。
リストアップした「おしながき」の28品は字面だけ追えば、どれも何げない定番料理のように思えるが、現物を食べれば先入観は見事に覆る。
例えば「かつおの藁焼き」はただのタタキでなく、脂の美味しさが際立って感じられて格別。凄腕を実感する。
それもそのはず、櫻井さんは『赤坂おぎ乃』や『西麻布野口』など、錚々たる日本料理店で腕を磨いた俊英。しかし、高級店は志向せず、昼は定食という「近所の食堂」を開いた。食堂だが、培った技と知恵は本物。それらを駆使して食材本来の滋味を繊細に引き出している。
藁焼きが感動的なのは、戻り鰹の個性が最もよく出る皮目に細かく包丁を入れ直火でバキッと焼き切ったから。上にのせた「あたりネギ」も旨みを引き出す立役者で、繊細な仕事に感動する。
群馬県川場村の品種「雪ほたか」で炊いたほぐし身たっぷりの「香箱ガニ 土鍋ご飯」¥4,000。柑橘のさわやかさもアクセントに。
他の料理もすべて同じ。食前と食後で面白いように変わる、驚嘆の表情を見るのが嬉しく、呼ばれた相手も間違いなく喜ぶ。そんな居酒屋、他にない。
4.鮨店の2階に潜む姉妹店イタリアンという“遊び心”と“期待値”に初手から盛り上がる
『イジョコタス』@新橋
日本人の食指を動かす、魚介の旨みを活かしたイタリアン
会食で『イジョコタス』の立地を伝える際の説明は、「1階に鮨の『冨所』が入るビルの2階」。
続いて、その鮨店の姉妹店とネタバラシしてしまってもいい。『冨所』といえば鮨通からの支持も厚く、系列と聞けば期待が高まる。
店の入り口はただのマンションの扉。201号室の名札に住居人の名のごとく店名が書かれている。
店内には、明治時代のたんすや古伊万里の器がそろい、和のディティールが効いた空間だ。
店主の岡田修弥さんは、和食からイタリアンに転向したシェフ。コースは7,000円と良心価格だが、前菜盛り合わせから鮨店の系列であることが食通をも喜ばす強みと出る。
皿に並ぶのは、山形の“だし”をのせたサゴシの刺身やカラスミ春雨など10種のつまみ。『冨所』と共有の仕入れも多いから、品質・鮮度ともに間違いない。
酒欲をそそる前菜ゆえ、赤白ワインを含む4,000円の飲み放題が大正解。
3種のサラミをのせた「ビスマルク」は、フォカッチャに近い食感を意識して焼きあげる。
気分良く飲んだあと、〆のパスタの美味しさを相手と共有する時間もまた、親睦を深めるだろう。
5.上質な鮨とつまみとお酒を好きなだけ。その至れり尽くせりは自身の株も上げる
『鮨 若尊』@赤坂見附
握るマグロを尋ねれば「『やま幸』から仕入れました」と明快に答え、ネタが大きいことを指摘すると「普通です」と朗らかに笑う。
『鮨 若尊』の大将・嶋田勝則さんの軽妙洒脱な振る舞いにもファンが多い鮨店である。
マグロ以外は船上で神経締めされた鮮度抜群の魚を主に扱い、江戸前の本流を極めるが、驚くなかれ、オールインクルーシブで税込12,000円。
握りは9貫で、中トロや白身も含まれており、粒立ちが良く、はらりとほぐれて心地良いシャリは奥出雲の仁多米。
酒肴は10品あり、フォトジェニックなだけでなく、ぶりぶり食感も最高のスペシャリテ「エビフライ」も登場。
ドリンクも鉄壁といえるほどの品ぞろえで日本酒なら限定品を含めて約10種。
乾杯用にスパークリングまで用意し、飲み手本位を貫いている。
「カウンターしかありませんが、会食で利用される方も多いです」と嶋田さん。
確かに、価格高騰が進む昨今の鮨店にあってこの価格で本物なら話は別。最高級を知る通こそお招きしたくなる。
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