
料理人が自然と集まる“良いレストラン”にある3つの共通点【東京の人気店シェフがリアルトーク】
互いの店を行き来し合い、良い店を見つけては一緒に飲みに行くという人気店のシェフ3人組。今宵、共通の友達の店『サプライ』に集合した。
イマドキなワインを片手に、それぞれが料理人として受ける“刺激”を語ってもらった。
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“シェフ飲み会”のメンバーは……
【左】『ゲレロ』@東北沢/シェフ 北林 剛さん
フィレンツェでピッツァ職人の修業を積み、サービスの西原和輝さんと2015年に『ゲレロ』を開業。薪窯で焼き上げるナポリピッツァは必食だが、その日の食材で作る料理も絶品だ。
▶よく行く近所の酒場:『潮待ち』『楽味』
【中】『湯気』@新中野/シェフ 田口雄一さん
軽やかな中華と自然派ワインにファンが多い『湯気』の店主。出版社勤務の傍ら、中華料理研究家の佐藤幸男さん主宰の料理教室に通い技術を習得。花屋『LOVE LETTER』も併設。
▶よく行く近所の酒場:『とんかつ丸福』『晩杯屋 新中野店』
【右】『ジロトンド』@神保町/シェフ 阿部修久さん
約7年間エミリア・ロマーニャ州のトラットリアで料理を学び、2019年に『ジロトンド』のシェフに就任。素朴で丁寧な料理と、オーナーの村上裕一さんとの息のあったコンビが評判。
▶よく行く近所の酒場:『シンスケ』『松扇』
本音トークが飛び交う実力派たちの密な関係性
5月某日、幡ヶ谷の酒場に集結したのは仲良しのシェフ3人。
ワインのボトルを開けると、定期的に集い語り合う3人の本音が早速飛び交った。
田口:僕らはみんなバヤシさん(北林)きっかけの仲だよね。もう知り合ってから8年とか10年とか?
阿部:僕も『ゲレロ』に行ってバヤシさんと話す機会があって、そこから一緒に飲みに行ったり食事に行ったり。それで『サプライ』の隆ちゃん(シェフ・小林隆一さん)含めてみんなとつながっていった……という感じ。
北林:いまじゃ月1回とか1ヶ月半に1回とかの頻度で会ってるよね。
阿部:よく集まるのは上野の焼肉とか和食屋とか。みんな店でナチュラルワインを扱っているけど、あんまりお洒落な所には行かないかも(笑)。
田口:この間阿部ちゃんが連れてってくれたそば屋さん良かったね。
阿部:根津の『鷹匠』さんね。通し営業でそば前もあって呑ん兵衛に優しい。東京の東エリアは、この辺と比べて知り合いに会うことも少ないから、気楽に飲めるのも良いんだよね。
(ここで料理が登場。一同歓声!)
北林:まじすげぇ!超うまそう!(ひと口食べて)うんま!何これ。隆ちゃん、これ鶏ハツ?
『サプライ』店主・小林:これ鴨ハツだよ、合鴨の。
田口:いやぁ〜ウマイ。やっぱ『サプライ』に来ると隆ちゃんいつ仕込んでるんだろう?っていつも思う。14時オープンで結局遅くまで営業して、メニュー数も多くって。“隆ちゃんの一日”っていうYouTubeがあったら見たい!(笑)
阿部:隆ちゃんはすごいよね、天才。天才なんだけど一番働いている。
小林:え?俺の話!?(照れ笑い)
北林:料理人同士で集まると、どう作っているんだろう?とか、どこで仕入れているのかって会話になりがち。その場で聞いたり後日連絡して聞いたり、酔っ払いつつも何とか記憶して……みたいな(笑)。
阿部:“シェフ飲みあるある”(笑)。
田口:あるあるといえば、隆ちゃんと阿部ちゃんと僕は1984年生まれで、集まって飲むときは大体最後は「やっぱり『ゲレロ』かっこいいよね」って話になる。皿の上にエネルギーがあるんですよ。もうね、目が覚める。
北林:それを言うなら、たぐっちゃん(田口)がいまの店に移転した時、洗練されて、一流になろうとしてるな!?って感じたね。「町中華やる」って言ってたのに、店も料理もクオリティが高くてすごいなって。
そして阿部ちゃんは僕の店に来た時、最初下北沢の古着屋の店員さんかなって思ってた。そしたらスタッフから「シェフらしいですよ」って言われて(笑)。で、話したら彼の料理人としてのすごさに感銘を受けたね。
田口:阿部ちゃんの料理は、イタリアに7年いただけあって引き出しが多い。インスタでも毎回違うメニューを載せていて、まだあるの?って驚かされる。思い出やレシピの説明が、一冊の本を読んでいるような気分になる。食べる価値ある料理だらけでいつも感心します。
北林:一ツ星取れるでしょ。
田口:いや超えてるでしょ!
阿部:正直、普段飲む時は真面目な話はあんまりなくて(笑)。下世話な話で盛り上がったりするけど、店に戻ったらみんなすごい料理作ってて。店に行くと楽しくて美味しくて。同業として尊敬できる人って、料理人としてまずちゃんとしている。そこが大事だなって思うし、この3人に共通していると思う。
トーク終盤で見えてきた「良い店」の本質
北林:“ちょうど良い店”が好きなんです。塩加減もそうだし、シンプルで削ぎ落とされた料理というか。結局なんか美味しかった、楽しかったって思える店が僕の思う“良い店”かな。
田口:僕が思うのは、手間暇かかっていることを言わない、見せない店。でも皿にエネルギーがあって、食べると脳天がワァーッ!ってなるのが最高だし、「いい汗かいてんな!」って思う。嘘がないじゃないですか、その料理に。何も語らなくても皿を通して感じられる。そういう店ってかっこいいですよね。
阿部:かっこいいね!すごい分かる。僕は、ナチュラルワインの裾野がこれだけ広がって、売ることはできてもそれを伝える人がまだ育ってないと感じることがある。そういった面では、料理やお酒の良さをしっかり届けられるサービスマンがいるっていうのも“良い店”の条件かなって。
田口:実際に、良いサービスマンがいる店はすごく流行ってるよね。
北林:ってことはやっぱ『サプライ』じゃない? ソムリエの、のんちゃん(小林希美さん)はめっちゃワイン売るもんね。
本日の飲み会場所は……『サプライ』@幡ヶ谷
幡ヶ谷のグルメシーンを牽引するイタリアン酒場
小林シェフが手がける創造性豊かでユニークなイタリア料理と、奥さんの希美さんがセレクトするナチュラルワインが美味しく楽しい時間を彩る。食通やご近所さん、同業者など幅広く集う。
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