結婚するか、しないか。
子どもを持つか、持たないか。
キャリアを追い続けるか、それとも手放すか。
私たちは、人生の岐路に立つたびに選択を重ねてきた。
女性の場合、ライフステージに応じて人間関係も変化していく。
同じ境遇の人と親しくなることもあるが、それは一時的なつながりにすぎないことも多い。
何にも左右されない“女の友情”は、本当に存在するのだろうか。
それとも――友情にも「賞味期限」があるのだろうか。
ママ友付き合いってムズカシイ:愛梨(37歳)専業主婦/夫の会社の役員
「いやぁ、本当に暑いね〜。みんな何にするか決まった?」
『麻布 川上庵』の4人がけのテーブル席。息子の圭太と同じ幼稚園の年少クラスのママたちに誘われたランチ会。
まだ6月だというのに、今日は真夏のようにジットリと暑い。こんな日は冷たいビールで喉を潤したくなるが、アルコールを頼む人はいない。
子どものお迎えがあるしね、と自分を納得させて、私も天せいろに追加でクルミだれを注文した。
圭太を通わせている幼稚園は、港区のなかでもカジュアル寄りだと私は思っている。
入園前の説明会や入学式こそキチンとしたフォーマルな装いの親たちでホールは埋め尽くされていたものの、入園後の保護者会では、デニムにTシャツ姿のようなラフな格好の人も多い。
幼稚園があるのは港区のヒエラルキーでいうと“その他”に分類される。3Aつまり赤坂、青山、麻布エリアではない。
毎日ネイビーのワンピースなんて着たくないと思っていた私には、この園の肩の力が抜けた雰囲気がちょうどよかった。
この記事へのコメント
5年位前なら毎週コメント欄が荒れたであろう連載が始まった。岡田将生、吉高由里子、平愛梨が浮かぶような登場人物たち。