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本物の恋愛とはご無沙汰だけど、久しぶりに恋の予感…。45歳バツイチ男が西麻布で過ごした夜

経験も経済力も豊かな45歳。

自分の好みを研ぎ澄まして好きなものを買い、気の向くままに流行りの店に行く。その言動すべてに、余裕と自信がみなぎる年齢だ。

ただ、これまでの経験値がむしろ邪魔して、本気の恋愛はご無沙汰になってしまいがち。

今回は、離婚を経て現在独身、とある男の港区の夜をのぞいてみた。



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♂「港区の華やかな鮨店だからこそ、誘ったのは、35歳の大人なあの子。お互いに“ちょうどいい”気がしている」

3月27日に誕生した『THE TOKYO』のテーマは、“日本一のアイコニック・バー・ラウンジ”。そのバーエリアの隣に、『2nd edition TERUZUSHI Nishiazabu』が開業した


西麻布交差点から近いビルの地下。20代の頃、ここに元あったクラブで飲んだことがある。そう懐かしい気持ちになって同じ階段を下りた。

今年3月末に『THE TOKYO』という大人の遊び場になったらしい。中に入ると港区らしくお洒落にギラついている。

自分が来た理由は、北九州『照寿司』のセカンドブランドがあると聞いたから。


ひとり座ると、面識ある大将が気さくに話しかけてくれた。

金曜夜7時50分。彼女と会うのは4年ぶり。会社員時代、赴任先の香港で、日本人同士の飲み会などでたまに会っていた。それから僕は先に帰国し、SNSで互いの近況を知る程度の関係が続いた。

妻と別れて2年、独立したのも同じ頃。その辺の変化もうっすら知られていると思う。

久々に会うきっかけは、彼女が飼い始めた犬に僕がつい反応して送ったDM。自然と会話が続いて、会う流れとなったのだ。

美人な友人と会う気分に微かな期待が混じる。確か35歳で独身らしい。モテそうなのに。

♀「金曜夜に誘われたのは、新しくできたお洒落なお鮨屋さん。少し外国の雰囲気でドキドキしてくる」

『THE TOKYO』のバーエリアにはDJブースもあり、外資系ホテルのラウンジとクラブが混じったような空気感。食事も可。鮨店とバーエリアの間は壁のないシームレスな造りだ


最初に彼からDMが来たときは、一瞬、海外からの怪しげなスパムに見えた。私があげた愛犬のストーリーズに対して、「かわいい!名前は?」とのコメントだったが、同じ類いが海外からよく届くのだ。

そのうち近況などを聞かれ、やりとりが続き、「近々飲みに行こう」とカジュアルに誘われたが、提案してきたのは高級鮨店だった。

彼のSNSを見ると、独立してからの仕事が上手くいっているようで羽振りがいいのだろう。

奢りじゃなくてもお鮨を食べるいい機会だと思った。それに、仕事で難しい相手とのやりとりが続き、彼のような明るい人と気分転換がしたかったのだ。

下心は謎だが、35歳独身女性と45歳バツイチの男性は、「ちょうどいい」なんて互いに思いそうな組み合わせだ。ほんの少しの邪推に微かな期待が入り交じる。

彼が選んだ店に着くと、そこは遊び慣れた人が行きそうな華やかな空間。

大将と楽しそうに話す彼が私に気づいて、同じままの笑顔で手を振った。やっぱり、歳上の男性は楽なのかもしれない。