「鮨は、手と箸どちらを使うのが正解?」「スマホはどこに置く?」知っておくべき鮨店での知識とマナー

― カウンターの向こうに見える鮨店の気になるアレコレ ―


鮨店でカウンターに座っていて、目の前で行われる店主の所作や、置いてある道具について気になることがある。

そこで今回、兼ねてよりYouTubeやブログで鮨の情報を発信し続け、現在は六本木一丁目『桜坂 渡利』の店主である渡邉哲也さんに3つの“ちょっと気になること”を尋ねてみた。

◆握りのこと


店によって異なる握りの形は、シャリの形が決め手になる


「鮨の形って店によって違う」と、きっと皆一度は考えたことがあるはず。

無論、ネタによって形が変わるが、そもそも、鮨には大きく2種類の形がある。

『鮨 西崎』の中トロ


ひとつが「船底型」で、全体が逆台形をしたもの。タネが乗っている上辺に対して下辺が短いのがポイント。

『鮨処 やまと』の小肌


ふたつめの「俵型」はシャリが米俵のような形で、コロンとした丸みがあるタイプ。

「船底型がシャープな印象を与えるのに対して、俵型は安定感がありますが、どちらが正解ということもありません」と渡邊さん。

ただ、店によってはシャリの形に触れることを是としない人もいるので、心の中で楽しむのがベターだ。

◆包丁のこと


目の前にある美しき包丁は、用途によって種類が異なる


鮨店では、ずらりと並ぶ包丁に目を奪われるもの。今回はとある日の『桜坂 渡利』の種類を解説。

「上から出刃包丁、ハモ切り包丁、下のふたつは柳刃包丁です」

「出刃」は、魚をおろす時や骨切に使用。美しい「柳刃」は細身の長い刃が特徴で、刺し身を引く時に使用する。さらに、小さな出刃のような『舟行』、万能包丁のひとつ『牛刀』など。

繊細な職人の仕事によって旨い鮨が生み出されるのだ。

◆玉のこと

「カステラ玉子」


鮨店の最後の楽しみといえば「玉」。店によって個性もさまざまだが、渡邉さん曰く、それぞれのルーツを知ればより楽しめる、とのこと。

江戸前鮨で「玉」とは魚のすり身を混ぜた「カステラ玉子」が代表。

「だし巻き玉子」


一般的によく見るのは、関西で多い、出汁の効いた「だし巻き玉子」や、関東以北に多い「厚焼き玉子」。

「厚焼き玉子」


「最近は、プリンのようなたまごも増えていますね」と渡邉さん。

職人技を堪能できる逸品だけに、ぜひ食べ比べてもらいたい。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo