「わざわざ鎌倉に行く価値アリ」食通たちの間で話題になり、瞬く間に予約困難店になった名店2軒

名店を目的に鎌倉を訪れる。そんな昨今のムーブメントを牽引する2軒が、和食の新鋭『鎌倉 北じま』とレジェンド店である中華の『イチリン ハナレ』だ。

食通たちの間で話題になり、瞬く間に予約困難店へ。“わざわざ”向かうことをむしろ喜びとする店である。

行ってみたいと思ったらすぐに予約の行動を起こすべし。この地ならではの食体験は、大人の感性を磨いてくれるはずだ。



東京カレンダーアプリ(iOSの方Androidの方)なら、発売中の月刊誌最新号の電子書籍がどこよりもお得に購入いただけます!また、この記事から1クリックで、レストラン予約サイト「グルカレ by 東京カレンダー」へ。すぐに店の予約ができます!

1.日本全国から美食家が足を運ぶ、食偏差値を向上させる白眉な和食店がある
『鎌倉 北じま』

鎌倉『鎌倉 北じま』の外観

「駅から遠くてもいいので鳥が鳴いている場所が良かった。自分の中で鳥の声が鎌倉のイメージ」と北嶋さんが見つけたのは築60年以上の庭付き古民家。鎌倉駅からは約1.5km


鎌倉の日本料理店こその表現を追求し続けていく


京都の『和久傳』で16年腕を磨き、2021年5月、地元鎌倉に『鎌倉 北じま』を開業した北嶋靖憲さん。

鎌倉『鎌倉 北じま』の北嶋靖憲氏

「山や海で感じる風の音や、毎日の通り道で見かける花、裏山にある洞穴の“やぐら群”など、鎌倉の環境は自分が表したいものの原風景になっています。一度離れたからこそより感じます」と北嶋さん


開業から3年も経たずにプラチナシートとなったのは、北嶋さんが作り出す世界観が、ローカルガストロノミーの真理をついているからだ。

「鎌倉でしか表現できないことを提供していくのが第一。地元の食材を使い、ここでのみ伝えられる香りや味わいを表すのはもちろん、鎌倉の文化も意識しています。

毎月お料理と器がこれほど変わるのは世界中で日本だけで、日本料理は総合芸術だと思っています。なので鎌倉の文化や自然に触れて料理に還元できたら」

地の旬魚がまとう輝きは、この上なく艶やかで美しい

鎌倉『鎌倉 北じま』のアンコウのひと品

魚は佐島漁港や大楠漁港、長井漁港からやってくる。プリッと肉厚なアンコウに合わせたのは、澄んだ骨の出汁とコク深いあん肝。ひとつの魚がなす奥行きのある味の重なりが醍醐味だ


例えば地元漁港に刺網で入ってきたアンコウは、身は焼いて骨からとった出汁と合わせて提供。

丁寧に神経締めを施された魚の、活き活きした身質や余韻の品の良さに違いを感じるはず。

鎌倉『鎌倉 北じま』の貝柱の出汁が海老芋のねっとりとした甘みを引き出すひと品

貝柱の出汁が海老芋のねっとりとした甘みを引き出すひと品。海老芋は個所によって筋繊維が変わってくるので、食べ進めるごとの食感の違いも興味深い。皿は古九谷白磁


貝柱で炊いた海老芋は、見た目は質素ながら口にすれば気分が華やぐほど美味しい。

鎌倉『鎌倉 北じま』の「鰻の筒焼きと炊き立てごはん」


「鰻の筒焼きと炊き立てごはん」は鰻を筒状で焼いているので、中の水分量を保ったまま皮はパリッと仕上がる。

鎌倉『鎌倉 北じま』のお抹茶

食後に提供される北嶋さんが点てたお抹茶。コース¥33,000


鎌倉で日本料理の奥深さや職人技を改めて知り、贅沢の概念が更新される。

最後のお抹茶まで、豊かなひとときだ。

鎌倉 北じま(鎌倉) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

2.閑静な住宅街に佇む趣深き邸宅で、唯一無二の癒やしを体感する
『イチリン ハナレ』

鎌倉『イチリン ハナレ』の齋藤宏文氏

齋藤さんは静岡県出身。『赤坂四川飯店』で12年修業し、2013年に築地『東京チャイニーズ 一凛』を開業。2017年に同店を離れ、鎌倉に移る。2025年春には鎌倉・佐助にバーを新規開業予定


都内の食通を鎌倉遠征に向かわせたパイオニア


齋藤宏文さんが鎌倉に『イチリン ハナレ』を開業した2017年当時、築地の『東京チャイニーズ 一凛』は絶好調だった。

それでも「まったく違う場所で新しいサービスを作って、みんなの次のステージになる場所を生み出したい」と都外の鎌倉に進出。その頃の鎌倉では、1万円以上のコースは異色だった。

「最初はみんなに“高い”と言われました。でも、差別化できるし方向性がはっきりした。鎌倉は観光地なので、観光とはまた違う形で鎌倉に来る人が増えれば面白いと思いました」

齋藤さんの言葉どおり、ほどなくして都内からこの店を目がけ鎌倉に来る大人が増えていく。

洗練のヌーベルシノワは、東京とは一味違う深みがある

鎌倉『イチリン ハナレ』の内観

中庭のアプローチを経て日本家屋をぐるりと回り、最後に辿り着くのがカウンター席。ゆとりある席間が良く、心地いい空間が広がる。目の前の窓からは四季の移ろいを感じられる


彼らがまず喜ぶのは、フランス外交官が住んでいた日本建築の邸宅を改装した趣深いカウンター席。

庭を前に、日本の旬の食材を活かすモダン中華のコースが始まる。

鎌倉『イチリン ハナレ』の百合根「月光」の素揚げに、炒めたセリと唐辛子をのせたひと品

北海道産の糖度の高い百合根「月光」の素揚げに、炒めたセリと唐辛子をのせている。爽やかさとスパイシーさが合わさることで、ほっくりとした百合根の甘さが引き締まったものに


百合根の甘さにセリと唐辛子の香りを合わせるなど、洒落た組み合わせが悦に導く。

鎌倉『イチリン ハナレ』のナンプラーベースの醤油をかけたアンコウ


ナンプラーベースの醤油をかけたアンコウ。

鎌倉『イチリン ハナレ』の「よだれ鶏」


名物の「よだれ鶏」は残るタレで餃子と麺を楽しむ3段活用が人気。

コース¥19,360。

鎌倉『イチリン ハナレ』の「紹興酒5種飲み比べ」

「紹興酒5種飲み比べ」はモンゴルの牛乳を発酵させたお酒からノーカラメルのヴィンテージ紹興酒まで個性の違いが面白い。¥3,267


酒は紹興酒の飲み比べがいい。

誰もが喜ぶカツサンド。これぞ究極のおみや!

鎌倉『イチリン ハナレ』のカツサンド

手土産に販売する黒酢の酢豚を挟んだカツサンド。エゴマシードの蜂蜜漬けが効いている。¥1,620


普段港区で遊んでいる人さえも「大人の遊び」と感じる粋が、鎌倉の閑静な路地に存在する。

イチリン ハナレ(鎌倉) | デートに使える東京のレストランはグルカレで予約

▶このほか:改めてグランメゾンの世界を知りたい。丸の内の地下に広がる、息を呑むような空間「アピシウス」へ

東京カレンダー2025年3月号の表紙

さあ、月刊誌最新号「食通たちの、つい足が向く店」を今すぐ手に入れよう!

今月の『東京カレンダー』は「食通たちの、つい足が向く店」。総勢47名の賢者たちが推す店は、今年の食のトレンドが詰まっている!

月刊誌『東京カレンダー』は、毎月21日頃(1月は21日)の発売です。お近くの書店、コンビニでお求めいただけます。
紙版をお求めの方はこちらから

また、買いに行く時間がない方、近くのお店で売り切れてしまっている方には、インターネットでの購入もお勧めです。
通常版はこちらから
特別増刊はこちらから

最新号も過去号(約10年分)も、東カレアプリ内のコインで購入するのが一番お得です!(通常版のみ)
⇒アプリでのご利用はこちらから(iOSの方Androidの方
※最新版のアプリをダウンロードしてください。

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo