2024.11.21
SPECIAL TALK Vol.122
「両親を幸せにしたい」。悩みながら結婚、出産、子育て
金丸:ところで、村田さんは学校の勉強はどうだったんですか?
村田:まったく(笑)。人脈を広げることに夢中で、全然勉強していなかったので。だから大学は入れなかったけど、短大には行った、という感じです。
金丸:中高や短大時代に、自分の将来についてイメージはあったんですか?
村田:正直、ほとんどなかったですね。ただ「自分には何ができるんだろう」と考えてはいました。というのも、ふたりの兄が優秀すぎるんですよ。ひとりはものすごく勉強ができて、もうひとりは芸術面ですごくて。
金丸:村田家はとんでもない人材の宝庫ですね。
村田:兄たちを誇らしく思うと同時に、「何かでトップになるのは、すごく難しいんだな」と感じたし、「私は何をすれば上に行けるんだろう」みたいなことをずっと考えていました。ただ、いつまでも悩んでばかりいられないと自覚した事件があって。私が18歳のときに、父の会社が倒産したんです。
金丸:なんと。私も19歳のときに、父が自分の会社を倒産させています。
村田:そんな共通点があったんですね(笑)。それで、すごくかわいがってくれた両親が落ち込んでいるのを見て、「私が幸せにしなきゃ」と感じて。そのためにはまず、父のように自分でビジネスを始めるか、いい人を見つけて結婚するかだな、と考えました。だけど、いきなり起業も結婚も難しいので、ひとまずカーディーラーに営業職として就職することにしました。
金丸:一般企業に就職を。村田さん、確かお子さんがいらっしゃいますよね。旦那さんは、どんな方なんですか?
村田:奨学金で大学に行き自分で起業した、とても真面目で優しい人です。両親がお坊ちゃんとお嬢ちゃんだったので、結婚相手は苦労した人がいいと思っていたんです。ただ、28歳で結婚したあと、43歳のときに離婚しました。
夫の倒産を機に起業を決意。「インナーマッスル」に着目する
村田:振り返ると、結婚生活の最後のほうは、あまりコミュニケーションが取れていませんでしたね。しかも、彼の会社が倒産してしまったんです。法改正でそれまでやっていた仕事に大きな規制が入ったこともあって……。
金丸:それは大変だ。
村田:タイミングも悪くて、子どもが中学受験に合格したり、私立の小学校に通っていたり。なのに、本当にお金がなくて。前触れもなく、急に「引っ越すよ」と言われて、初めて倒産を知りました。
金丸:ひょっとして、村田さんが起業するきっかけって、その倒産でしたか?
村田:おっしゃるとおりです。当時、ママ友が自宅でやっていた、体幹を鍛えるコアトレーニングの教室に通っていました。すごく楽しかったんですが、いろいろあって通えなくなり、ふと「自分が人に教えるのはどうだろう」って。マット1枚あればできるトレーニングなので、家の中で教えられるし、子どもが学校に行っている時間にできる。これって、すごくいいビジネスじゃないかなと思ったんです。
金丸:アメリカでも女性起業家のかなりの割合が、追い詰められた結果、ビジネスを始めているんです。「旦那さんが突然倒れた」とか「子どもを何とか育てなきゃいけない」とか。パートだと生活に十分な稼ぎは得られないし、企業はなかなか採用してくれない。だったら「自分でやるしかない」と。
村田:すごくよく分かります。私なんて学歴コンプレックスもあったし、自分は何も持っていないと思っていたから、起業なんて考えもしていませんでした。それが「教えることを仕事にしたい」「人に教えるからには、自己流でやっていてはダメだ」と、必死に勉強するようになったんです。
金丸:勉強には苦手意識があったけど、「やらなきゃ」とスイッチが入ったんですね。
村田:そのときに出会った先生が、アスリートの指導もされている素晴らしい人だったんです。「くびれを作りたいんですけど、どうすればいいですか?」と相談したら、「僕は男だから言いづらいけど、膣をちゃんと鍛えればいいんだよ」って。
金丸:そうなんですか?
村田:要はインナーマッスルを鍛えるということです。それが緩んでいると、内臓が下がってしまって、くびれがなくなります。でも「インナーマッスルを鍛える」とうたっているほとんどのトレーニングは、実際にはインナーマッスルを全然使えていないんです。
金丸:なるほど。いくら腹筋をしてもくびれないというのは、そういう理由だったんですね。
村田:私もそれを聞いて、「今までやっていたのは、何だったんだろう」って、びっくりしました。同時に「これをちゃんと人に教えられるようになれば、世界に通用する」と確信したんです。
金丸:すごい直感力ですね。
村田:日本って、フィットネス文化が全然ないと感じませんか?筋トレじゃなくて、体を整えるために何かをしている人って、ほとんどいませんよね。
金丸:そうですね。無理な食事制限をして、かえって健康を害する人がいるくらいですから。
村田:日本には気軽に体を動かせて、気軽に通えるような環境がほとんどない。だから気になっていても、一歩を踏み出せない。自分で教えるようになって、改めて実感しました。最初のうちは無料でレッスンしていたんですけど、友達が友達を呼んで、どんどん生徒数が増えて、あっという間に月曜から金曜まで昼と夜、毎回7人にレッスンする、という状況になりました。
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