SPECIAL TALK Vol.122

~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~


人との出会いに夢中になり、高校を退学処分に


金丸:具体的にはどんなふうに遊んでいたんですか?

村田:同世代の子たちに限らず、人脈を広げて新しい人と出会ったりするのがすごく楽しくて、中でも人をプロデュースして、ほかの人に紹介するのが得意でしたね。

金丸:エージェントとか、ハブみたいな立ち位置だったんですね。

村田:そうです。人をかわいくするとか、きれいにすることがすごく好きで。一緒に遊んでいるグループの子たちのメイクをしたり、服をコーディネートして、みんなを際立たせるのが私の役割でした。

金丸:何となく今の村田さんとつながりますね。

村田:アイドルとかスポーツ選手とか、自分が「会ってみたい!」と思った人に実際に会ってみる。そんな日々でしたね。

金丸:なんだろう……。私の子ども時代を思い返すと、世界が違いすぎて衝撃を受けています(笑)。東京の中でも、ひときわキラキラした10代だったんでしょうね。

村田:そうですね。とにかく毎日楽しかったのですが、少しハメをはずしてしまい……。途中で退学処分を受けました。

金丸:え!?村田さんが?

村田:そうです。高校2年のときに。

金丸:そこから今の村田さんにどうつながっていくのか興味深いです。私は中退とかクビになったとか、そういう“一般的な道”から外れて歩む人生のほうが面白いと思っていて。

村田:退学するとその人は成功するんですかね?

金丸:思いも寄らない窮地に陥っても、「いずれは底の底までたどり着くし、そのあとは良くなるだけだ」と、私は考えるようにしています。

村田:それはそうかもしれないですね。乗り越えたときに初めて「私って、こういうこともできるんだ」って自信にもつながるし。

金丸:多くの人は平坦な道というか、人が決めてくれた道を歩きたがります。でも、実際にはそういう道にだって、いろいろな落とし穴がある。落とし穴に1回落ちたくらいで「もう人生終わり」なんて思っちゃダメですよ。にしても、遠い世界にいた村田さんが、一気に身近な存在になった気がします(笑)。

村田:それはよかったです(笑)。通っていた女子校が、めちゃくちゃ厳しくて、廊下で先生とすれ違うときは立ち止まって礼をするとか、スカートはふくらはぎまでとか、靴下は三つ折りでくるぶしが見えなきゃいけないとか。ルーズソックス全盛期だったんですけどね。

金丸:じゃあ、制服から着替えて六本木に?

村田:それも難しいんですよ。学校の先生が渋谷のセンター街やら、いろいろなところに立っているので。

金丸:でも、そんな学校に通いながら六本木で遊んでいたなんて、村田さんは相当強靭だったんですね。だけど、退学になってしまった。

村田:それも、退学になったのは私だけじゃないんです。1学年200人くらいの学校なんですけど、最終的に80人退学になりました。

金丸:嘘でしょ!?

村田:本当です。校則が厳しい学校だったので。

金丸:今日は次から次に、驚愕のエピソードがどんどん出てきますね。

村田:だけど、それだけの人数が処分されたので、逆に悩まなかったですね。

金丸:確かに。でも、ご両親はショックだったのでは?

村田:そうなんです。頑張って私を入学させてくれたのに申し訳なくて。退学後は別の私立高校に通って、そこを卒業して短大に進みました。

金丸:その頃の友達とは、今でも付き合いがあるんですか?

村田:もちろんです。よく「何も変わらないね」って言われてます。それから「ほんとに誰に対しても、失礼だよね」って(笑)。

金丸:等しく失礼(笑)。それはいいことです。

村田:昔から誰に対しても変わらず接するので、そういう正直なところが「小学校3年生の男子みたい」と言われ続けてます。

金丸:お姫様のように育てられたのが、いつの間にか男子小学生に(笑)。

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