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1LDKの彼方 Vol.2

年上彼女から「ボッテガのキーケース」をプレゼントされた28歳男が、困惑したワケ

◆前回までのあらすじ

ベンチャー企業を経営する明里は、30歳を目前にして、2歳年下の彼氏・亮太郎と同棲を始める。

引っ越し当日のクリスマス。なんのデートプランも練っていなかった亮太郎に、明里は小さな違和感を抱き…。

▶前回:彼と初めて過ごすクリスマス。期待していた29歳女ががっかりしたワケ


Vol.2 クリスマス<亮太郎>


2025年3月。

― ちゃんと、話すんだ。

ダイニングテーブルに座った明里が、俺の顔をまっすぐに見つめている。

明治通りに面した広い窓から、差し込む陽の光。その光を浴びて穏やかな表情を浮かべる明里のことを俺は、ハッとするほど綺麗だと思った。

だけど、なぜだろう......


この記事へのコメント

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亮太郎目線の話を読むと、彼も明星の事を本当に好きで大事にしようと思っていたのが伝わってきた。これは小さなすれ違いがどんどん大きくなった結果? 彼はプロポーズするつもりで彼女は別れを切り出す所。続きが気になる…
2024/12/30 05:1928Comment Icon1
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最近の連載は表現がおかしくて意味不明だったり読み疲れるものが多かった。でもこのライターさんは喋り口調で飾らないけれど切なさを感じる文体や表現が魅力的!文章も長過ぎずキレイな言葉のチョイスで、片手間で読んでいてもどんどん話に引き込まれていく。
2024/12/30 07:4125Comment Icon1
No Name
亮太郎さんどんなトラウマを抱えているんだろう。 読みながら昔の曲だけどレミオロメンの粉雪が流れてきた人いません?笑
僕は君の全てなど知ってはいないだろう それでも一億人から君を見つけたよ 根拠はないけど本気で思ってるんだ
些細な言い合いもなくて 同じ時間を生きてなどいけない 素直になれないなら喜びも悲しみも虚しいだけ (←ここは明星)
粉雪 ねえ 心まで白く染められたなら 二人の孤独を分け合うこと
ができたのかい
2024/12/30 05:5119Comment Icon1
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1LDKの彼方

同棲。

それは、デートと結婚の間にあるグラデーションのような、恋人たちの甘い世界。

けれどそんな甘い世界は、少しでも気を抜けば、一瞬で残酷な世界へと表情を変える。

ふたりの距離が近づけば近づくほど、心は離れていく。そんな真実を浮かび上がらせる、残酷な恋の地獄にもなり得る──。

明里と亮太郎が住む1LDKの空間は、恋人たちの甘い世界となるか、それとも…。

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