ウォークインクローゼットで見つけた、彼女の抱える“秘密”。愕然とした男が車を走らせた先は…

▶Vol.1はこちら:男と女のポテトサラダ論:34歳、同棲中のカップル。ある日の食卓で彼女を激怒させたひと言


僕はポテトサラダが大好きだ。

居酒屋やスーパーで売っているものも嫌いじゃない。でも彼女が一度作ってくれた、カリカリに焼いたベーコンが入っているそれを食べたときに、美味しくて感激したのをよく覚えている。

僕が「美味しい」と連発していると、彼女は少し恥ずかしそうに「亮平はカリカリのベーコンが好きだから、ハムじゃなくてベーコンを入れてみたんだ」と言った。その瞬間、彼女への愛おしさで爆発しそうになった。

だからこそ、あの日のことを深く反省している。

あの日はちょうど、大きなプレゼンを前に少し気が張っていた。だから家を出る前、彼女の作るポテトサラダが食べたいな、と思い、リクエストをした。

ただ彼女も忙しそうだったので、「ポテトサラダを作ってほしい」ではなくて、「ポテトサラダを食べたい」とあいまいな表現をしたことを覚えている。

けれどこういう中途半端な気遣いがよくなかった。家に帰ると明らかに彼女が作ったものではないものが皿に盛りつけられていて、思わず言ってしまったのだ。

「…あ、お惣菜か」

すると彼女はそこから黙りこくって、夕食をとるとすぐに寝てしまった。

翌日、会社から帰ると、彼女の姿はなかった。

この記事へのコメント

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No Name
本当に、こういう些細なケンカやすれ違いから「別れ」に発展するケースが多くよね。車で迎えに行った彼も素直になれた彼女も良かったと思う!! ほっこり穏やかな終わり方だけど、これもう続きはないのかなぁ。もっと読みたい!
2024/10/22 05:2917
No Name
雨降って地固まるってことだね。いいお話だった。
火曜はずっと「読める小説ゼロ曜日」だったから。
2024/10/22 05:4817
No Name
確かにスーパーとかのポテサラはやけにオニオンが効いてたりなんか不味いんだよね。分かるけど亮平もあのカリカリベーコンの入ったポテトサラダがまた食べたいなと言えばよかったよね、今夜とか指定せずに。でも仲直り出来て安心した。
2024/10/22 05:5713返信1件
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