東京レストラン・ストーリー Vol.39

友人の結婚式で同級生に再会。2次会で盛り上がり、そのままふたりで抜け出し六本木で…

レストランに一歩足を踏み入れたとき、多くの人は高揚感を感じることだろう。

なぜならその瞬間、あなただけの大切なストーリーが始まるから。

これは東京のレストランを舞台にした、大人の男女のストーリー。

▶前回:原宿のおしゃれな2LDKで「ルームシェア」する24歳女。でも、現実は一緒に住むのは難しくて…


「東京で見つけた天然記念物男」城田亜紀(28歳)/ 西麻布『BAR GOSSIP』


「城田さん、僕のこと覚えてますか?3年5組だった二宮裕太です!」

11月の最終週の土曜日、私は高校時代の同級生カップルの結婚式で地元の仙台に来ていた。

2次会でひょろんと背が高い男性に話しかけられる。

― えっと誰だっけ…。

卒業以来会ってなかったので一瞬思い出せなかったが、目尻にシワが寄る彼の笑顔を見て、私は記憶を手繰り寄せる。

「あ、はい。確か医学部に行った…?」

― 二宮くん、真面目で印象が薄かったけど…。確か、東北大学の医学部に進んだんだっけ?

「卒業した後、東北大に行って、2年前くらいから東京の病院で働いてるんだ」

当時は、ほとんど接点がなかったが、同級生ということもありすぐに打ち解ける。

「そうなんだ、二宮くんも東京なんだね。私は証券会社で働いていて、今は六本木に住んでいるよ」

「六本木に住んでるなんてすごいね。もしかして城田さん、港区女子なの?」

二宮くんは、勤務先の病院に近い二子玉川に住んでいるが、仕事も忙しくて東京らしい生活なんて全然してないという。

「まさか…。たまたま会社が近いってだけ。勝手に想像膨らませないでほしいわ」

笑いながら、私は口を尖らせる。

― 28歳でお医者さん、そしてまだ東京歴2年で真面目。二宮くんってもしかして東京では天然記念物男?

大学から東京に出て、それなりにちやほやされ酸いも甘いも経験した私には、二宮くんのピュアさが眩しく見えた。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
二宮の奴やってくれたなぁ…
謎に感情移入してしまい亜紀がとてもかわいそうだと思った。
2024/11/25 05:2215返信1件
No Name
結婚前の火遊びだった? にはちょっと笑ってしまったけど正にその通りなのが辛いだろうね。 でもそんな火遊びする男は結婚後も夜勤だなんだで嘘ついて不倫するだろうから!
2024/11/25 05:3612
No Name
亜紀も、それなりにちやほやされ酸いも甘いも経験したなんて思ってるから、逆にやられちゃったんだよ。堕とすのは簡単だったと思うよ。
2024/11/25 06:055
もっと見る ( 9 件 )

【東京レストラン・ストーリー】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo