2024.09.13
年収4,000万男子の恋愛事情 Vol.1
「こちらにはよく来られるんですか?」
男性に話しかけられ、俺と元太は顔を見合わせる。
年齢は、50歳くらいだろうか。
黒ぶちメガネにパーマが特徴的で、体は縦にも横にも大きく、一度見たら忘れられない風貌をしている。
「…僕は何度か来させていただいていて。彼は今日が初めてです」
そう答えると、男性の顔がほころぶ。
「そうですか!ここ、本当に美味しいですよね。僕もお鮨大好きなんですが、一緒に行ってくれるグルメ友達が少なくて…」
男性はそう言うと「秋山雄三郎 AKYM-DINING,INC. 代表取締役」と書かれた名刺を差し出した。
― 飲食店オーナーか…。
そう思っていると、元太が笑顔で秋山に食いつく。
「おぉ。社長さんなんだ、すごい!こいつ…翔馬も一応アパレルの会社やっていて社長なんですよ。やっぱり港区は経営者がゴロゴロいるなぁ」
さすが営業マンだ。口を開けば、お世辞がすらすらと出てくる。
「そうなの?若いのにすごいね。それは女の子たちが喜びそうだ」
― 女の子たち…?
疑問に思いながらも、俺は秋山との会話は最小限にして、目の前の握りに集中する。
カウンター席のみの店だと、こういう一期一会はよくある。しかし、あくまで今日の主役は鮨。
この店の鮨は、繊細でありながらしっかりと旨みを感じられる逸品であり、味を覚えていないなんて事態は避けたいのだ。
「いやぁ、親友が稼いでてラッキーだわ。ありがとな、翔馬」
「はいよ」
食事が終わり、俺は元太の分も会計を済ませる。
高級店に行ったときは、大抵俺がおごることになっている。なぜなら年収は4,000万程度と元太より明らかに稼いでいるからだ。それに去年、会社をひとつ8億円で売却したからそれなりに余裕はある。
そのことを知っているからか、同級生におごってもらうことに対し、彼は何の引け目も感じないらしい。時々、その能天気さがうらやましくなる。
「はぁ、美味しかったな……あれ?さっきのおっさんだ」
店を出て、青山の自宅までタクシーで帰ろうとした時、薄暗い道の端っこにメガネパーマが佇んでいるのが見えた。
軽く会釈をすると、秋山が近寄ってきた。そしてそのまま彼に誘われ、近くのバーへ行くことになった。
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