黒塗りの扉 Vol.5

時代の寵児と呼ばれた男の、知られざる過去。子持ちバツ1女性を妻にするに至った、強烈なる欲望

東京のアッパー層を知り尽くし、その秘密を握る男がいる。

その男とは…大企業の重役でも、財界の重鎮でもなく、彼らの一番近くにいる『お抱え運転手』である。

もしもその運転手が…雇い主とその家族の運命を動かし、人生を狂わせるために近づいているのだとしたら?

これは、上流階級の光と闇を知り尽くし支配する、得体の知れない運転手の物語。

ようこそ…黒塗りの扉の、その奥の…闇の世界へ。

これまでのあらすじ


自らの手腕で成り上がった男・環利一(たまき・としかず)。環はちょっとしたきっかけから、新たに運転手の鈴木明(すずき・あきら)を雇うことに。

利一は、鈴木と妻・聡美の関係を疑い、聡美の車にカメラをしかけるが、それを鈴木に暴かれ悔しい思いをする。

鈴木の弱みを握るべく、彼の身辺調査を始めた利一のもとに、意外な調査結果が届く…?


17時30分。葉山の海に日が沈んでいく。

環利一は、都内で早い夕食を済ませ、鈴木が運転するベントレーで別荘に到着した。到着するなりリビングのソファーに座ると電気もつけぬまま、もう30分以上ただその景色を見つめていた。

雲ひとつない晴天だったこの日の夕焼けは、不吉なほどに美......


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