今日、私たちはあの街で Vol.12

有楽町のパスポートセンターに行った帰り、日比谷で思わぬ出会いが…。34歳女の人生が激変したワケ

麻布には麻布台ヒルズ。銀座には、GINZA SIX。日比谷には、東京ミッドタウン日比谷…。

東京を彩る様々な街は、それぞれその街を象徴する場所がある。

洗練されたビルや流行の店、心癒やされる憩いの場から生み出される、街の魅力。

これは、そんな街に集う大人の男女のストーリー。

▶前回:「あの子とは何でもない」と言い訳されたけど…。彼氏が他の女性と出会っていた28歳女の末路


Vol.12 『さよならを告げる夜/東京ミッドタウン日比谷』直子(34歳)


― 予約しちゃった…海外旅行!

スマホに届いたカンクン旅行の日程表を確認し、直子は心躍らせながら有楽町のパスポートセンターを出た。

新卒から大学職員として働いている直子にとって、海外に出る機会は稀だ。

外資系証券会社勤務の彼氏・孝一が頻繁に海外出張に出かけるのを、日頃は羨ましく眺めるばかり。こうして旅行の日程表を見るだけで、すでに気持ちは海の向こうへ渡りそうだ。

パスポートの更新という面倒な用事ですら、今は冒険への第一歩のように感じられる。

無事パスポートの申請を済ませた直子は、ガイドブックをゆっくり眺めようと東京ミッドタウン日比谷にある『パティスリー&カフェ デリーモ』に入った。

ここには美味しいモクテルがあるのだ。近い将来の妊活を考えている直子は、アルコールを控えている。

モヒートが好きな直子にとって、フレッシュミントを使って絶妙な味わいを再現したモヒートのモクテルが味わえるのは嬉しい。

シュワシュワと弾けるソーダを眺めながら、この夏訪れる中南米リゾートに想いを馳せる。

― うれしいなぁ、孝一と久しぶりの海外!一緒に海外旅行に行ったの、もう5年以上前かぁ。

今ほど円安でなかった当時、恋人になったばかりの孝一とバリで豪華なヴィラに宿泊した。グルメやスパ、サーフィンなどを存分に楽しんだことを覚えている。

当時20代だった直子は34歳となり、孝一は38歳。立派なアラフォーだ。

付き合って6年。直子のマンションの更新日が近づいたことをきっかけに、ふたりは昨年ようやく同棲を始めた。

赤坂にある広めの築浅マンションで、高台にあるため眺めは良好。BoConceptの家具にシモンズのベッドをそろえ、心地良い暮らしを実現している。

経済的に恵まれたふたりの同棲は、何不自由ない。その点で、直子は孝一との生活に満足している。

しかし…。

「同棲まで来れば、結婚まであと一息。…って思ったんだけどな」

この記事へのコメント

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青年? アルノー確かアラフォー世代だった気がする。若見えするにしても青年て....24歳位までかと思ってたけど。 それにデート?!と思わせて彼女も同席してた展開も嫌だなぁ。恋愛始まるかもと、ぬか喜びしてた直子がバカみたいじゃん。
2024/05/07 05:3432
No Name
どうしてカンクン旅行キャンセル?せっかく二人になれるチャンスだし今まで我慢していた分、腹を割って話せばいいのに。思ってる事や疑ってる事とか何も言わずに別れる展開、東カレでよくあるけど、6年も付き合ってそれは無いと思ってしまう。
2024/05/07 05:2430返信5件
No Name
6年付き合った年収4,000万円の同棲している彼と別れるのは相当覚悟がいるよなぁ〜
2024/05/07 07:0728返信3件
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