人気業界の光と闇 Vol.2

メガバンクには昔から変わらない“ある慣例”がある!熾烈な出世レースを勝ち残るため、彼らは…

世のハイスペックな男女は、一流企業に勤めてバリバリ稼ぐ。何も苦労もせずに働き、華やかな印象だ。

だが、そんな一流企業を辞める人も多く存在する。では、なぜ彼らは退職という道を選んだのだろうか?

そこにはその業界、その企業に勤めた人にしかわからない、光と闇が広がっていた。

Vol.2でスポットライトを当てるのは、高収入で安定した業種、かつ社会的信用度も高い企業「メガバンク」だ。

勤めていた人にしかわからない、大手銀行員の悲哀とは?


取材・文/風間文子


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「外資コンサル」はパワポ屋さん!?ステータスや高収入を求めて、日系メーカーからBIG4に転職した結果…

▼INDEX
1. 恋人と遠距離になった男性が、浮かれたワケとは…

2. 頻繁に人事異動がある世界で見たのは“もののけ”!?

3. バックヤードで繰り広げられる、トホホな現実

4. 優秀な人さえも去っていく、その理由


恋人と遠距離になった男性が、浮かれたワケとは…


【今回の取材対象者】
名前:黒岩公平さん(仮名・32歳)
職歴:メガバンク(4年)⇒外資コンサル
年収推移:600万円⇒1,000万円
最終学歴:慶應義塾大学大学院 経済学研究科


「心配しなくても大丈夫。連絡はこまめにするからさ」

東京駅の新幹線乗り場。名残惜しそうに見つめる恋人との別れには、後ろ髪を引かれる思いがあったが、若き黒岩さんの胸中には期待が込み上げていた。

その年、慶應の大学院を修了した彼は、国内3大メガバンクのうちの1社に入社した。

「決め手は社会的ステータスの高さでした。内定をもらったときの両親や祖父母、親戚の驚く顔を見たら、やっぱメガバンクってスゴいんだなと実感しましたね」

彼の唯一の不安は、熾烈な出世レースがあることで知られるメガバンクで、自分が生き残っていけるかどうかだったが…。

「OB訪問では、全国に多数の支店があるなか、入社して最初に配属される支店がどこになるのかが、その後の出世に大きく影響すると聞かされていました。

というのも、大きい支店になればなるほど扱う数字も大きくなるので、有能な支店長が選ばれるわけです。そうした支店長は人事に対しても発言力があるので、見込まれれば人事の希望も通りやすいと」

そして黒岩さんが最初に配属されたのは、多数のエリートを輩出していることで有名な、関西の大規模支店だった。

― 恋人と離れるのは嫌だけど、頑張り次第では都内の有力支店、あるいは本部の花形部署への異動も可能かもしれない。

新大阪に向かう新幹線の車内には、総合職の同期が800人近くいる出世レースで、幸先よく1歩リードすることができたのではと浮かれる黒岩さんがいた。

「あとは昇進試験で高評価を得て、いかに早く支店長代理になれるかが僕にとってのモチベーションでした」

彼が入社したメガバンクでは、6年間の在職期間を経ると最初の役職である支店長代理(および調査役)になる資格を得ることができる。ただし実際に昇進するには、昇進試験に合格していることが必須だ。

「この昇進試験に合格できれば年収は一気に上がって、年収1,000万円台を確約されたようなもの。早ければ勤続7年目から、つまり30歳前後で1,000万円台に手が届くわけです」

やる気にみなぎる黒岩さんだったが、彼は配属先の支店で“あるモノ”を目にする。


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