私の名品テラピー Vol.18

「ジャケットは黒一択」と主張する、お洒落男子23歳。いま注目すべき、人と被らないブランドは…

名品には数々の効力がある。

身に着けることで日々のモチベーションアップにつながったり、自分に自信をくれたり――。

まさに、大人たちのお守り的存在だ。

本連載では人々から愛され、流行に左右されることない一生モノの“ファッション名品”にフォーカス。

今回登場するのは、大手IT企業でエンジニアとして働く宮島大地さん。彼が紹介してくれるアイテムとは?


▶前回:社会人1年目の終わりに買ったファースト・ティファニー。それから6年経った今、次に狙うのは…

今回、お話を聞いたのは宮島大地さん


2000年生まれ、神奈川県出身の23歳。横浜国立大学理工学部卒業後、大手IT企業でエンジニアとして働く。

よく行くエリアは表参道。最近はまっているのは山登りで、初心者にもおすすめの山は神奈川県・鍋割山。宮島さんいわく「山頂で食べられる鍋焼きうどんが絶品」。

2021年、大学4年生の時に、大学のミスターコンテストで準グランプリに輝いた実績を持つ。


お洒落男子が注目する、人と被らないイマドキのブランドとは?


「ファッションは、適当な感じが好き。何も考えてないぜ!くらいのゆるさがよくて、家からさっと出てきました、っていうスタイルを意識しています」

そう語る宮島さんが紹介してくれるのは、どれも10万円超えの逸品たち。計算し尽くした「ゆるくて適当な感じ」を醸し出すためには、上質なアイテムが欠かせないそうだ。

それでは、社会人1年目を必死で働いて初昇給した時に嬉しくて購入したという、オールモストブラックのロングコートからご紹介しよう。

2023年5月、渋谷にあるセレクトショップ『ミッドウエスト』で約10万円で購入した、画家の加藤泉氏とのコラボアイテム。「ザクッと羽織るだけでアシンメトリーな形になって、これを着れば他に何を着ようが格好よく決まるところがお気に入り」


自称「荷物を持ちたくない病」という彼にとっては機能性も申し分なしだ。

「女性で荷物が多いのはわかるんですけど、男性が荷物をたくさん持つ姿は格好悪いと、昔から思っていて(笑)。そんなポリシーもあって、アウターは絶対に収納力があるものしか買わないと決めているんです。

これはポケットが大きい上に、素材はゴアテックスなので、軽くて汚れにくい。アウターは埃がつくのが気になると思うんですが、その心配がなくてガシガシ着られます」

オーバーサイズのため、インナー次第ではほぼオールシーズン着用可能だ。

「夏のアウトドアシーンではTシャツの上にさらっと羽織ってもいいし、秋冬は大きめのニットやパーカの上にも着られます。オン・オフ問わず着ています」


センス抜群のファッションのベースは、黒にあり


続いて紹介してくれるのが、ダブレットのジャケットだ。

ダブレットは、2012年に誕生した日本のブランド。ベーシックを基本にしながら「違和感のある日常着」をコンセプトに掲げ、2020年にはパリコレデビューを飾るなど世界的にも一躍有名に。

「ダブレットは、洋服好き界隈ではとても有名なブランドです。ショーも個性的ですごく面白いので注目しています。なかなか見ないデザインが多く一つひとつのアイテムに派手さもありますし」

こちらも一見普通のジャケットではあるが、よく見ると生地の一部にストライプが入っていたり、左腕の袖部分にワッペンが貼り付けられていたり。ここでも、彼ならではのこだわりが透けて見えてきた。

2022年春に、渋谷のセレクトショップ『ミッドウエスト』で約10万円で購入。元々は違う洋服として使用されていた数種類の生地がリサイクルされ、つぎはぎになっている


というのも「ジャケットに色はいらない」と宮島さんは主張するのだ。その理由とは一体?

「ジャケットは特に、黒しか買わないですね。でも黒ってシンプルなので、デザインはなるべく派手なものというか、形や素材に一捻りあるものを買うようにしています。逆に色がある洋服は、シンプルな形のものを選ぶのがお洒落のコツかなと」

着用するタイミングは、フォーマルなプライベートシーン。たまにあるパーティーや、週末のデートでも活躍している。


初任給が入って真っ先に買いに行ったものは……


続いてこの日持ってきてくれたのが、リコーのカメラ「GR IIIx」だ。

学生時代からカメラが欲しいと思っていたが、当時の宮島さんにとって「GR」シリーズは高価で、すぐに買える存在ではなかった。2022年5月、初任給が入って真っ先に購入したという。

シンプルで無駄がないデザインと、機能性で選んだ。有効画素数は約2,424万画素で、一眼レフ顔負けの高画質がお気に入り


ここでも、彼の「荷物を持ちたくない病」が発動することとなる。

「とにかくコンパクトでめちゃくちゃ軽い。そして電源ボタンを押してすぐ撮影できるほど起動が速いんです。小さいのに高スペックで、満足しています」

持ち歩くシーンは、友達との旅行やアウトドア、誕生日祝いなどの記念の日。

「カメラを持てば、友達と遊ぶような“普通の日常”も、思い出になる気がしていて。むしろ思い出を作るために、カメラを持っていると言っても過言ではないです」


エンジニアとしてぐんぐん成長中!


こだわりある名品を前に、ファッション愛が溢れ出る宮島さんだが、本業はシステムエンジニア。「社会人2年目で仕事が格段に楽しくなってきた」と語る彼に、仕事事情について聞いてみた。

「元々学生の時から誰かと何かを作るみたいなのが好きだったんですけど、それがようやく仕事でもできるようになってきました。先輩と一緒のチームに所属して、同僚たちと直接コミュニケーションを取りながら一緒に一つのものを開発できるのが、めちゃくちゃ楽しいです」

それでは、エンジニアとしてどのようにスキルアップをしていったのだろうか?

「仕事が終わったあとに、自主的にいろんなサイトのコードを読みにいっています。といっても、一生かかっても読み終えられないくらいの膨大な量があるのですが……。仕事のタスクとは別に、自主的に技術書を読んだり先輩に聞いたりして、基盤やプログラム言語を理解するように努めています。その分自分の知識が増えていくので、とてもやりがいがありますね」

エンジニアとして成長しているんですねと問いかけると、「そうですね。周りが優秀すぎるので、なんとか食らいついて」と謙遜した。


では最後に、宮島さんにとってファッションとはどういう存在なのだろうか。

「年齢に応じて洋服もアップデートしていきながら『自分の昔のファッションあまり好きじゃなかったなあ』みたいなのを繰り返していきたい。そうやって、だんだんと自分らしさを突き詰めていけたらと思います」

実は宮島さん、今年から服飾の専門学校に通い始めたという。

「洋服が好きすぎて、ファッションに携わる仕事をしたいと思い立ちました。平日はエンジニアとして働いて、毎週土曜日だけ丸1日学校に通う生活を、まずは1年間続ける予定です。将来的にデザイナーやパタンナーの仕事にチャレンジできたら、なんて思っています」



「まだやりたいことがちゃんと定まっていないんですよね…」と苦笑いをする宮島さん。

「早くて5年後には何かしらの道を見つけていたい」と打ち明けてくれたが、まだまだ社会人2年目だ。いくらでも夢は広がり続けるだろう。

お気に入りのファッションに身を包みながら人生を模索する彼の“ゆるくて適当”な着こなしが、今後どのように進化していくのか、楽しみだ。


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写真/品田健人

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