男と女の東京ミステリー Vol.30

「ストーカー?」知人男性に後をつけられ戦慄が走る28歳女。麻布十番のカフェに逃げ…

◆これまでのあらすじ
詩織(28歳)は、名字である『久津元』が相手に伝わりづらいため、レストラン予約などで偽名を使うことがあった。ある日、以前勤めていた大手広告代理店の近くのピザ店で働いていた青木と再会。2人は親しくなっていくのだが…。

▶前回:ミーティング中に、得意先の男が豹変。突然“心ここにあらず”になった意外すぎる理由


珍しい名前【後編】


「1年ぶりかぁ。店内の雰囲気もちょっと変わったね」

週末の夜。

詩織は、友人の莉緒とともに渋谷にあるピッツェリアを訪れていた。

転職前、職場が渋谷だったころに頻繁に通っていたレストランであり、久しぶりの訪問となる。

開店して間もない時刻を狙ったため、まだ客は少ない。

「メニューも少し変わってる。こんなの見たことない」

莉緒の指さすメニュー表を、詩織が覗いた。

「ホントだぁ。カ…カチョカヴァッロチーズ…を使ったピザだって。言いにくいね」

「ね。詩織の名前みたい」

莉緒がおどけたように言った。

詩織の名字である『久津元』は、発音しづらいうえに、相手にも聞き取ってもらいにくい。

店に電話で予約を入れる際、大抵聞き取ってもらえないため、今日も以前から使っている『フジモト』の偽名で予約していた。

「で、どうなの詩織。その後、青木くんとは?」

この店の元スタッフである青木とは、2週間ほど前に偶然再会し、連絡先を交換していた。

「しょっちゅうLINEは送られてくるんだけど、なんかおかしいんだよね…」

「おかしいって、何が?」

「実は、たまに職場の近くで会ったりするの。向こうは『偶然ですね』って言ってくるけど、待ち伏せされてるような…」

「ええ…怖いね。ヤバい奴じゃん。せっかく恋の始まりかと思ったのに…」

莉緒の言うように、詩織も今後の展開に期待を寄せていたので、残念に思う。

そのとき、莉緒が視線を詩織の背後に目を向けながら「あっ」と言った。

詩織も「えっ…」と振り返る。

…が、誰もいない。

「うっそ~ん」

「もう…。やめてよ」

青木ならば偶然を装って現れかねない。詩織の体にゾクゾクッと寒気が走った。

この記事へのコメント

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No Name
皆の予想通りストーカーでしたとか、バチクソつまらない。まず、ピザ屋クビになって詩織の働く会社を探し、そこに新規でサイト制作を依頼しそうな会社に就職→奇遇にも詩織の会社に依頼→青木もその案件で打ち合わせに参加→ 来社した担当者が運良く詩織… 現実では限りなく不可能😂
2024/02/08 05:2332返信4件
No Name
中途半端に終わらせるなぁ、今日は青木も諦めて帰ったかもしれないけど明日も明後日もどこかでバッタリ装って近づくと思う。
2024/02/08 05:1430返信2件
No Name
30話目にしてワーストですね。それに久津元ってそんなに珍しくて言いにくいかな? 普通に読めるし滑舌よく言えばそこまで伝わらない名字でも無いような気がしませんか? 電話だと「葛本」などの聞き間違いはあるかもしれないけれど。
2024/02/08 05:2818返信5件
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