2024.01.12
2024年がスタートし、新年会など大人たちの宴が多いこの時季。大人の外食の舞台には、当然最新の美食が必要。
年始めの贅沢デートにもおすすめな、都内の珠玉の新店を5軒ピックアップしてご紹介!
鰻料理を堪能できる『参宮橋 あさや』、注目のスパニッシュ『コングスト』、白金高輪で復活した『くじら料理 うずら』、鳥焼肉を仕掛ける『一鳥目 とり松』、コースとんかつの新星『Fry家』など、すでに食通の話題に上る人気店ぞろいだ!
他ジャンルと比べると、ニューオープンが極めて稀な“うなぎ専門店”。2023年秋、その期待の新星が登場した。
繊細な火入れと圧倒的なセンスで、素材のポテンシャルを極限まで引き出す
手をかけたうなぎ尽くしのコースで注目を集めている『参宮橋 あさや』の店主・荻原 聖(あきら)さんは、栃木にあるウナギも扱う日本料理店『あさや』が生家。
ただし「基礎こそ父から習いましたが、ここでは自分がベストと思うやり方を選択しています」。
そのひとつが、蒸してから焼くのではなく、串を打ったうなぎを生から焼き上げる「地焼き」にしていること。
さらに脂の量や身の硬さなど個体の状態を見極めつつ、霜降りにしてから焼く、何度も返すなど技術を駆使して理想の「焼き」に仕上げている。
脂がのったこの季節だからこそ、うなぎをコースで食べ尽くす贅沢
コースの“大トリ”とも言うべき「鰻重」。
蒲焼とご飯の馴染みが良くなるよう、串を打ったうなぎを曲げたり丸めたりして動かし、皮に亀裂を入れるイメージで焼き上げている。
「ひれやき」は、6尾分のひれを串に巻き付けて焼いたもの。
「うざく」のイメージで菊の花や野菜とともに酢の物仕立てに。
「白焼き」には塩とわさびのほか、うなぎの肝から作った「肝塩」も添える。
料理はいずれも、コース(16,000円)の一例。
養殖・天然ともに常に複数種のうなぎをそろえる
日本料理店のみならず、焼肉『よろにく』やチャイニーズの名店など異ジャンルでも経験を積み、見聞を広めた荻原さん。
特に後者では、料理長の勧めで間借り営業も行い、カウンターでの魅せる仕事も体得。準備万端、満を持しての独立に関心が寄せられている。
■店舗概要
店名:参宮橋 あさや
住所:渋谷区代々木4-6-5 A&Uビル 1F
TEL:非公開
営業時間:18:00一斉スタート
定休日:不定休
席数:カウンター6席 ※要予約
新店のオープン相次ぐ人形町界隈。今、話題のこの美食スポットにまたひとつ注目の実力店が誕生した。
カウンタースパニッシュの『コングスト』がそれだ。
一見、バルスタイルながら料理は緻密かつ多彩。それも店主の坂田慎吾シェフの経歴を聞けば合点がいく。
バルブームの先駆的存在・神楽坂『エルプルポ』をはじめ鎌倉『アンチョア』等々名だたる店で伝統の味からモダンスパニッシュまで幅広く研鑽を積んできた手練れなのだ。
それらの経験を生かし、ここでは伝統の味をベースに独自のテイストを加味。
力強くも目に楽しい8,800円コースは、誰かに伝えたくなる感動がある
「素材を生かすシンプルな味つけが特徴のスペイン料理は、和食と似ている点がありますね」と語る坂田シェフの言葉どおり、コースを彩る品々は、ピンチョスやパエリアといった定番から、スペインでおなじみのピキージョ(赤ピーマン)に熊本の馬テールとタンを煮こんで詰めた一皿のようにスペイン料理と和食材を巧みに融合させた逸品まで融通無碍(むげ)。
前菜盛り合わせ。
手前がピンチョスの元祖と言われるヒルダ。アンチョビで青唐辛子のピクルスを巻いたものとオリーブを楊枝で刺した一品。
その他、生ハムのコロッケなど6品がのる。
ピキージョのひと皿は馬のタンとテールを煮込んだ出汁でコンソメを仕立ててソースにしている。
コースの最初に出るイワシの酢漬けのコカ。
コカとはピザ生地に似たスペインの薄焼きパンのこと。他にも様々な具を乗せて食べるそう。
白子のプランチャはバスク地方の郷土料理仕立てに。
イカ墨のパエリアは魚介のパンチが凄い!
コースの掉尾を飾るイカ墨のパエリア。魚介のパエリアとどちらかを選べる。芳しい香りが食欲をそそり、シンプルで美味。2人前。
すべて8,800円のコースより。
気軽に楽しみたい。
■店舗概要
店名:コングスト
住所:中央区日本橋小網町16-19 大都ビル 1F
TEL:070-1247-2468
営業時間:18:00~(L.O.23:00)
定休日:月曜
席数:カウンター14席
白金の隠れ家で出合える、赤富士が如くの美しきひと皿
遡ること50年前に麻布十番で創業した『くじら料理 うずら』。
当初は店主の永田晃一さんと芳子さん夫妻で切り盛りする小料理屋で“くじら料理”という冠はなかった。
が、常連客の勧めで関東では珍しいくじら肉を扱うようになると、やがて工夫を凝らしたくじら料理が評判に。
とりわけ、すっぽん鍋をヒントにして、スープにたっぷりのショウガを加えた「はりはり鍋」が、唯一無二の味わいだとゲストの心と胃袋を掴み、くじら料理の名店と謳われるまでになった。
2008年に白金へ移転した後も多くの常連に支持されていたが、2022年に晃一さんが急逝し、閉店。
しかし「もう一度あの味を」という熱い声援を受けて芳子さんが再開を決意し、2023年8月に晴れて復活を遂げた。
アラカルトもあれば、『うずら』ならではのくじら料理をひととおり味わえるコース(12,000円)も。
下あごから腹あたりにある希少部位「畝須(うねす)」を使った「鯨ベーコン」(2,600円)は“鍋前”に欠かせない。
中に潜んでいるねぎを包んで。
「鯨ユッケ」(1,450円)は濃厚な旨みがたまらない部位「赤肉」を使い“うずら”の卵黄を添えて。
鍋の本格シーズン到来、速やかに予約したい話題の一軒だ。
■店舗概要
店名:くじら料理 うずら
住所:港区白金1-12-20
TEL:03-5421-8920
営業時間:17:00~(L.O.22:30)
定休日:日曜、月曜不定休
席数:カウンター5席、テーブル8席、個室1(4席) ※要予約
カップルシートでふたり肩を寄せ合えば、親密度はもう、高まるしかない
牛の次は鶏、と言わんばかりに、西麻布の人気焼肉店『うし松』が手掛けたのが、麻布十番に誕生した『一鳥目 とり松』だ。
日本全国から厳選した地鶏を『うし松』で育まれたフルアテンドスタイルで提供する「鶏焼肉」は、焼き鳥を食べ込んだフーディーからも熱視線が注がれている。
総料理長を務める佐藤拓弥さんは、「アンダーズ東京」を経て『うし松』で料理長として腕を振るったキャリアを持つ。
扱う素材が黒毛和牛から地鶏へと変われど、素材のポテンシャルを最大限引き出す姿勢には変わりなし。
食べなれた相手こそ連れていきたい、既視感なきプレゼンテーション
コースには、さまざまな銘柄鶏から厳選した鹿児島「黒さつま鶏」、兵庫「松風地どり」など異なる個性の地鶏を盛り込む。
そして、部位に応じて塩・たれ・味噌の3種類の味付けを施す鶏焼肉を軸に『うし松』のシグネチャーである「縛りタン」をアレンジした「縛りつくね」や「とり松グリドル」など、驚きのある品々が。
コースの後半で意表を突いてくるのが、可愛らしいサイズの「とり松グリドル」。
胸肉のカツを、ソテーオニオンや粒マスタードとともに米粉のパンケーキでサンド。
「親子丼」は、味のベースの丼つゆに鶏の旨みを抽出しているから、鶏肉を入れずとも存在感ある味わいに。卵も、濃厚な「日本一こだわり卵」を使用。
料理はすべてコース(15,400円)の一例。
本格かき氷も密かな名物
デザートはコースに含まれているが、単品のかき氷を追加するゲスト多数。
「抹茶小豆かき氷」(990円)は見た目の美しさも出色。
鶏料理の新境地、ここにあり。
■店舗概要
店名:一鳥目 とり松
住所:港区麻布十番1-5-13 ニュー高雄ハイツ 1F
TEL:03-4577-6529
営業時間:[一部]17:00または17:30~
[二部]20:00または20:30~
定休日:年末年始のみ
席数:テーブル16席、個室4室 ※要予約
パン粉に包まれ間接的に熱が伝わるフライは、食材にストレスを与えることなく火が入り、風味を逃さないという利点がある。
そんなフライの美味しさを突きつめた一軒が、あの『とんかつ なりくら』の跡地にオープンした。その名も『Fry家』。
店名通り、ここではフライが主役。とんかつだけでなく旬の魚介や野菜のフライをコースで提供する新しい形のフライ専門店だ。
仕掛け人は、伝説の名料理人・斎藤元志郎シェフ。
その信頼を得て厨房に立つはミシュランの星付き和食店で腕を振るった西山道泰料理長だ。
感動するほどに軽い揚げ物を、少量多皿で食べつくす幸福感
コースではシキンボなど3種のとんかつの他、魚介と野菜を含め全10品のフライが登場。
140℃の低温で揚げながらも衣はサクサク。具はしっとりと、素材本来の風味を存分に楽しませてくれる。
スペシャリテの「極みのささみフライ」。
肉厚のささみのふわっとした食感は、140℃の低温で2分半静かに揚げた後、余熱で火を通していればこそ。
「一口サイズのヒレカツ」。文字通り一口で頬張れば、肉汁溢れる旨みがたまらない。
「シキンボ」。
外腿肉の内側の部分で、豚一頭から数百gしか取れない稀少部位。旨みが強くジューシー。
「アジフライドッグ」のアジフライと特注のパンの繋ぎ役はアイオリソースと非加熱のトキハソース。
「さつまいもの素揚げ」は丸ごと一本を約30分じっくりと揚げる。品種はシルクスイート。
対馬産の大ぶりな穴子を使用した「穴子カツ」。
サクッ、ふわっのテクスチャーが後を引く。魚介は細かめ、肉は粗めのパン粉を用いている。
聞けば、肉は菜種油とラード、魚と野菜は太白胡麻油と揚げ油も変える拘りぶり。パン粉も然り。
こうした仔細な配慮が食後感の軽さと美味を生み出している。
破格すぎるボトルワインをお供に!
ソムリエも在籍し、ボトルワインが破格。
3千円台から用意し、ブルゴーニュワインや稀少なものから古酒など豊富にそろえる。
■店舗概要
店名:Fry家
住所:新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル B1F
TEL:03-3200-0565
営業時間:ランチ 11:00~15:00
ディナー 17:30~22:00(L.O.21:30、ロングコースは19:45最終受付)
定休日:不定休
席数:カウンター6席、テーブル10席
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