表紙カレンダー Vol.107

「僕にとっては毎日が学びの宝庫」FANTASTICS・八木勇征が振り返る躍進の1年とは

「努力するのを辛いとか苦しいだとか思うことはないですね」


特に2023年の躍進ぶりは目覚ましかった。

全国各地のホールを巡り、ほとんどの場所で1日2公演をこなした。アリーナの大舞台にも立った。それらと並行する形で、4クール連続のドラマ出演も成し遂げた。

そんな超ハードスケジュールを経験し、気づいたことがある。それは「がむしゃらをまっとうすることの尊さ」。八木さんは次のように言った。


「20代前半も仕事に取り組む時はがむしゃらでしたが、背伸びしたい気持ちが強かったんでしょうね、仕事はもちろんプライベートも充実させようと躍起になっていました。

でも、経験が浅いから不器用で、両立することができなくて、そんな自分に絶望を感じることもありました。

ただ、いまは違います。欲張らず、まずは目の前の物事に集中しよう。その上で、無理がなければ余裕を作ってみよう。そんなスタンスに変わりました」

詰まるところ、地に足がつき、自分の現在地を見つめる冷静な目が養われてきたのだろう。こうなると、物理的に忙しくとも、精神的にはラクに過ごすことができる。

だが、八木さんのようにアーティストと俳優の二足のわらじを履くのは、やはり並大抵のことではない。覚えることひとつをとっても、歌詞にセリフと確実に負担が増えてしまうのだから。

その感想を伝えると、彼は困ったように笑った。

「実際、よく心配されています。忙し過ぎてインプットする時間がないんじゃない?って。役者業に専念されている方からすると、そう言いたくなるのかもしれません。

でも、僕にとっては毎日が学びの宝庫。新しい現場に入って目に映ったすべてのものが肥やしになると信じています。例えば、今夜の撮影で訪れたワインバーでソムリエの方と交わした言葉も。

それに、たくさんの人に自分の存在を知っていただけたらそれはグループのためにもなるので、努力するのを辛いとか苦しいだとか思うことはないですね」

「グループのため」という言葉が出たので、「本業はやはりアーティスト?」という質問が口を衝いて出た。すると、八木さんは真顔になった。

「僕は“本業”という言葉をあまり使いたくはありません。本業があれば副業もあるということだから。僕自身は俳優業とアーティスト業に優先順位をつけるつもりはないし、どちらも本気でやっているので」

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