
高校生の息子と3人暮らしで、食費は月4万5,000円。大学進学費用を貯めるため、一家が実践したコトは…
エンジェル係数という言葉を、ご存知だろうか?
これはエンゲル係数にひっかけたワードで、全消費支出に占める教育費の割合のことを指す。
この連載では、普段絶対に知ることのできない“ある家庭の教育明細”を紹介していく。
他人の家計簿を覗き見して、我が家のエンジェル係数が高すぎないか、答え合わせをしてみよう。
取材・文/風間文子
前回の記事はこちらから
我が子を医学部に進学させた世帯年収1,000万の家庭。その家計簿と、母親が実践した秘策とは?
▼INDEX
1. 世間の親は、我が子の大学費用をどう工面している?
2. 一家の月々の食費は4万5,000円。その実態は
3. 手取り年収1,300万円でも、節約生活を続ける事情
世間の親は、我が子の大学費用をどう工面している?
【今回の取材対象者】
名前:浅香さん(52歳)
職種:一般事務(正社員)
世帯年収:約1,800万円
住居地:近畿地方(分譲マンション・持ち家)
家族構成:夫(54歳)、長男(21歳)、次男(19歳)
文部科学省の「令和4年度学校基本調査(確定値)」によると、国内の大学進学率は1985年以降、増加の一途を辿り、2022年度には60.4%と過去最高を記録した。
しかも在学生の7割が私立大学に在籍していることから、子を持つ親としては、それなりの費用を工面する心構えが必要になるわけだが…。
他の家庭が、我が子の大学進学・卒業までの費用をどう工面し、どう家計をやりくりしているのか。気になる読者も多いことだろう。
今回紹介するケースは、我が子を大学に進学・卒業させるために“堅実な家計”を実践する、模範的な家庭と言ってもいい。
取材したのは近畿地方在住の浅香さん(仮名、52歳)。現在、大学4年生と大学2年生の2人の子どもを大学に通わせる母親。ちなみに長男が通うのは偏差値62前後の文系学部、次男が通うのは偏差値64前後の理系学部だ。
さっそく、そんな浅香さんの家計を見ていこう。
上図の金額は今から2年前、長男が大学2年生、次男が高校3年生になって大学を受験し、見事志望校に入学するまでの1年間の支出を月割り換算した数値となる。
食費は月4万5,000円と、かなりの節約ぶりがうかがえる。
長男は1人暮らしだろうか。実家から通えなければ大学の費用だけでなく、仕送りも家計の負担となる。
教育費には長男の大学授業料、そして次男の高校3年次にかかる学費1年分と受験対策費用、そして大学初年度にかかる費用(入学金+授業料等)が含まれる。
では、浅香さん夫婦が子ども2人にかけた教育費はというと…。
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