30.5歳~女たちの分岐点~ Vol.7

サイバーエージェントから小嶋陽菜ブランドへ。玉田理沙が異業種転職をした理由

「30.5」歳、それは女性がキャリアチェンジする平均年齢だ。

それまでをどう生きるかで、その後の人生が変わると言っても過言ではないだろう。

本連載ではインタビューを通して、今活躍中の女性たちが30.5歳のときに何をしていたのかインタビュー。また、そこに至るまでのキャリアを振り返り、何を考え、どう行動してきたのかを掘り下げていく。

今回は、小嶋陽菜氏がプロデュースするアパレルブランド『Her lip to』のビューティライン『Her lip to BEAUTY』で、マネージャーとして活躍する玉田理沙さんが登場。

ちょうど30.5歳の時、新卒入社したサイバーエージェントを退社し、『Her lip to』を運営する株式会社heart relationに転職した。

キャリアチェンジする先として選んだのは、異業種。しかも大企業からスタートアップ企業への転身だ。その決断の背景には、一体何があったのだろうか。

玉田理沙さんの「30.5歳」に迫る。


取材・文/辻本幸路


▶前回:仕事が絶頂の30.5歳で選んだ結婚と出産。小山田早織のマスコミ業界でキャリアを築くための3つの鍵

今回、お話を聞いたのは玉田理沙さん


1991年生まれ、徳島県出身の32歳。

2014年、同志社大学を卒業後、サイバーエージェントに新卒入社。入社2ヶ月でキュレーションメディア(のちの女性向けメディア『by.S』)を手がけ、大きな話題を呼ぶ。

2016年にABEMA宣伝部に異動し、恋愛番組やオリジナルドラマ等のPRを担当。

2022年、heart relationに転職。『Her lip to BEAUTY』事業部のマネージャーとして、事業戦略立案から商品開発、プロモーション企画まで事業全般を担う。

●INDEX

1.サイバーエージェントでのキャリアを手放した30.5歳

2.成果主義の会社で、結果を残し続けられたワケ

3.人生は3年単位で考える。マネジメントにおいて大切なこと

4.「何をしていいかわからない」と悩む20代に向けた3つのアドバイス


サイバーエージェントでのキャリアを手放した30.5歳


―― 現在『Her lip to BEAUTY』のマネージャーとして活躍する玉田さんですが、「30.5歳」はキャリア的にどんなことを考えていましたか?


このインタビューのお話をいただいて考えてみたら、ちょうど私、30.5歳で前職のサイバーエージェントを辞めて現職に就いているんです。

新卒での就職活動の時は、サイバーエージェントの現役社員30~40人くらいの方にOB訪問をして。入社試験を受けたのはサイバーエージェント1社だけっていうくらい、ものすごく入りたくてやっとの思いで手にした切符でしたし、入社後はキュレーションサイトの立ち上げやドラマや映画の宣伝担当など、やりたいことをさせてもらえる環境にいました。

でも、それとはまた別軸の目標として、30歳からのキャリアプランがあったんです。

それは、30歳までに「自分には何が向いているか」を見極め、使えるスキルを身につけるということ。そして30歳からは「そのスキルが本当に使えるか」を試すということでした。

―― とはいえ大手企業の順調だったキャリアを手放すことに、迷いはなかったんですか?


それはもう、めちゃくちゃ悩みました。

というのも私はこれまで休学や留学の経験もなく、“平均値から外れる”ということ自体が初めてで。既定路線から外れるのも正直怖かったですし、ずっと、本当に辞めていいのかという葛藤がありましたね。

だからサイバーエージェントを卒業した先輩や、同期などいろいろな人に相談をして、やっとの思いで決断しました。

―― 「30歳までに転職をした方がいい」という定説に悩む人も多い中、結果、玉田さんは見事30.5歳でキャリアチェンジされています。転職活動の際に気をつけていたことはありますか?


私自身、20代はずっと無我夢中で走り続けて体がボロボロになっていたんですが、30歳になるとそうした体力勝負だけでは無理で。

そうした中、自分に向き合い、自分を慈しむ時間はとても大切だなと実感していました。そんな自分の想いと『Her lip to BEAUTY』のブランドコンセプトが合致したんです。

私が担当している『Her lip to BEAUTY』は「Self Care=Self Love」がテーマ。代表の小嶋を含めてかなり緻密にコンセプト作りをしていて、こうしたブランドの設計がしっかりしていてぶれていない、というのも魅力でしたね。



30.5歳で大手IT企業から新進アパレル企業への転職という、人生初めての“リスク”を取った玉田さん。

これまでの輝かしいキャリアを手放せたのも、20代で猛烈に働き“やり切った”実感があるからという。

もちろんすべてが順調ではなかった。彼女を襲った試練とは?そして、それをどう乗り越えたのだろうか。


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