港区の人気店が提案するマリアージュに感動！クラフトジン「季の美」に合う珠玉の3品(3/3)[東京カレンダー

港区らしい贅沢な焼肉の旨みを柑橘の香りが受け止める
『The INNOCENT CARVERY』＠西麻布

レアな焼き上がりに“肉欲”が湧き上がる「シャトーブリアンのステーキ」は、14,000円〜のコースの一品。シェフオススメの生胡椒と「季の美と京柚子のソーダ割」（1,300円）が合う

ビストロさながらの洒落た空間で、高級焼肉を味わえる『The INNOCENT CARVERY』。

扱う牛肉は和牛のスペシャリストが選び抜き、一頭買いや産地・銘柄指定はあえてせず、部位ごとに“その日に一番美味しい和牛”がセラーに並ぶ。

そんな極上食材を堪能できるコースのスペシャリテが、同店の代名詞にもなっている「シャトーブリアン」のステーキ。

言わずと知れた希少部位であるが、料理長の明石元秀さんは“肉色”にこだわり「サシが細かく赤身の色が強いシャトーブリアンは、脂がくどくなく肉質も極上の柔らかさ」と話す。

2〜3cmもの厚みあるステーキを、目の前で焼き上げる光景は眼福そのもの。口に運べば、上質なサシの甘みに支配される豊潤な味わいにたちまち口福に。

さらにその余韻を華やかに引き立ててくれるのが、京柚子のピューレを合わせた「季の美と京柚子のソーダ割」だ。

ドライな味わいと炭酸が、ステーキの脂を流してくれる。同時に、肉の甘い余韻に柚子の香りが重なる上品なアフターノートに包まれる。

主張ある肉料理の傍には、「季の美」の奥ゆかしい存在感がしっくりくる。

この日のシャトーブリアンは、繊細で美しいサシが特徴の島根県松永牧場の「まつなが牛」A5ランク。目の前のロースターで、スタッフが最適な焼き加減に仕上げてくれる

シェフが語る「季の美」の魅力

「ジンに柚子の皮の風味が浸透していて、レモンや柚子胡椒と相性のいい肉料理と親和性が高い。ワインが苦手な方にも肉料理とのペアリングは評判がいいです」（料理長・明石元秀さん）

■店舗概要
店名：The INNOCENT CARVERY
住所：港区西麻布1-4-28 カルハ西麻布 101
TEL：03-5411-2911
営業時間：【火～金】17:00～（L.O.22:00）
　　　　　【土・日・祝】ランチ 11:00～（L.O.14:00）
　　　　　　　　　　　　ディナー 17:00～（L.O.22:00）
定休日：月曜（祝日の場合、火曜）
席数：カウンター9席、テーブル36席

濃厚な鶏の旨みとさわやかな茶の香りがそっと寄り添い重なる
『分とく山』＠南麻布

コースの終盤に登場する「地鶏の白菜鍋」。低温で白菜とじっくり煮込んだ濃厚なスープが胃を優しく温める。「季のTEA 水割り」（1,000円）と合わせて。コース（16,500円）より

南麻布の『分とく山』といえば、日本料理界の名料理人・野﨑洋光さんが総料理長を務める名高い割烹料理店。その名を全国に轟かせる存在だ。

そんな、創業34年の歴史ある名店が秋の逸品に添えるのは、なんと和の香り溢れるジンの水割り。

京都の老舗茶舗の玉露とてん茶を使用した「季のTEA 京都ドライジン」をチョイスしたのは、本店料理長の岡田良一さんだ。

「地鶏を昆布出汁や刻んだ白菜と一緒に、低温でとろとろに煮込んだ『地鶏の白菜鍋』は、仕上げに柚子胡椒でアクセントを加えています。もちろんそのままでも『季のTEA』に合いますが、途中で小鍋に抹茶を入れて味変させるのがオススメです」

お茶に含まれるアミノ酸やグルタミン酸に鶏肉のイノシン酸が合わさることで、茶の香りが際立ち、水割りのフレーバーが華やぐ……という美味しい化学変化を楽しめる提案だ。

そもそも酒は冷えると香りが広がらないため、あえて氷は入れずに前割りした「季のTEA」で味わうという、一杯への追求もさすが。

伝統を重んじながら進化を続ける名店の、斬新なペアリングに感嘆する夜を。