オトナの男女なら、一度や二度はあるだろう。
友達や恋人には言えない“あの夜”が…。
寂しかったから、お酒に酔っていたから、魔が差して…。
そうやって自分に言い訳をしながら、人は一夜の過ちを犯す。
これは、オトナの男女の「誰にも言えないあの夜」のストーリー。
Vol.1 『実らなかった恋』未来(29)
「未来(みく)、今夜のことは絶対に香澄に言うなよ」
「…わかってるよ」
午前2時。まだ外は暗いのに、さっきまで抱き合っていた男は、そそくさと帰る準備をしている。
「じゃ、また俺から連絡するわ」
私は、カーディガンを羽織りながら、玄関に向かう彼の後をついていく。
「あ!私、今週も来週もいつでも空いてるから」
思わず出たダサすぎる本音が、自分を苦しめる。
「そんなに焦らなくても、また来るよ」
「……」
「香澄にバレないようにうまくやろうな。それじゃ」
― はぁ…。
どうしてこんな展開になってしまったのだろうか。
この男とは、もう会わないようにしようと、1年前に自分に誓ったはずなのに…。
この記事へのコメント
未来も自分は大手で働いてるが香澄は子会社勤務だとか全て平凡だから一緒にいると安心するとか、酷い😂
このタイトル、未来のことなのか。 未来は都合のいい女止まりで香澄はとりあえずの彼女という感じ。両者ともヒロキの本命ではないと思うしこんな不誠実な男と付き合いたくないけど!笑