あなたは1本800万円もするウイスキーに、出合ったことがあるだろうか?
スコットランドにある、ハイランドパーク蒸溜所が世に送り出した『ハイランドパーク 54年』がそれである。
その総数は全世界で225本しかなく、日本には5本しか存在しないお酒だ。
今回、そんな貴重なウイスキーの1本を使っての試飲会が東京・銀座で開かれた。
もちろん、誰もが参加できるわけではない。25名という限られたVIPだけに催されたシークレットイベントだ。
そんなスペシャルなイベントに、なんと東カレ編集部も参加してきた!
一体どんなサプライズが待っていたのか、レポートを通して一緒に体感してもらいたい。
ヴァイキングの誇りと精神が宿る、シングルモルトウイスキー『ハイランドパーク』
写真をクリックすると、イベントの様子を多数ご覧いただけます!
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「ハイランドパーク蒸溜所」はスコットランドにあり、世界最北に位置するウイスキー蒸溜所だ。
その創業は1798年。現存するスコッチウイスキー蒸溜所のなかでは最古の部類に入るほどで、創業者はなんとヴァイキングの子孫だという。
また、これまでに米国最大級の蒸溜酒コンペティションで「世界最高の蒸溜酒」に3回も選ばれており、世界中に愛好家が多いことでも知られる。
そんなハイランドパーク蒸溜所が今年で創業225年を迎えたのを記念し、全世界225本限定でリリースしたのが冒頭でも触れた『ハイランドパーク 54年』だ。
ブランドの世界観を具現化。趣向を凝らした演出でゲストを迎える
会場となったのは、ブルガリ銀座タワー8階のプライベートルームだ。
特別なウイスキーのお披露目を兼ねて、実際の味を堪能してもらおうというのが今回のイベントの趣旨。会場にはハイランドパークのブランド背景がよくわかる、趣向を凝らした様々な演出があった。
受付を済ませ、胸の高鳴りを抑えながら黒いカーテンの向こうへ進むと、さっそくその世界観に引き込まれていく…。
「エレメント」と呼ばれるその部屋は薄暗く、四方の壁一面には断崖絶壁の岩肌に打ち付ける荒波が映し出されていた。
見る者を圧倒し、痛みさえ感じさせる迫力がある。
そして、時折映し出される淡い紫色の花が印象的だった。名前も知らないその花は、荒涼とした丘陵地のなかで風に吹かれ揺れていた。
不意に誘われた非日常感のなかに立ち尽くしていると、ほのかに潮の香りが漂っていることに気づく。
ようやく「エレメント」という部屋の名前の理由がわかった。
そこはスコットランドの北東部にある、約70の島々からなるオークニー諸島を再現していたのだ。
ハイランドパーク蒸溜所はこのオークニー諸島のなかの1つ、メインランド島にある。
その面積は日本の屋久島と同程度で、周囲を大海に囲まれ、強い風に晒されるせいで背の高い樹木は育つこともできない。島を行き来する飛行機も、3便のうち1便は欠航になるほどの場所…。
今回リリースされた『ハイランドパーク 54年』も、こうした厳しい自然環境のなかで造られたのかと思いを馳せながら次のルームへと進むと、それまでとは違った光景に目を見張ることになる。