男と女の東京ミステリー Vol.18

彼の誕生日に贈ったプレゼントが喧嘩の引き金に…。デート中、急に雰囲気が悪くなったワケ

◆これまでのあらすじ
大手不動産会社に勤める法子(29歳)は、典型的な日本人の顔立ちのため、「似ている」と言われる人物が多かった。食事会に参加した際も、例によって男性陣から似ている人物の話題を持ち出される。そのとき「失礼だ」と一喝してくれた黒田に惹かれ…。

▶前回:「食事会でその話題はタブーでしょ」男性陣が振ってきた質問に29歳女がうんざりしたワケ


本物のニセモノ【後編】


― せっかくの黒田さんとの食事だっていうのに、1時間も遅れちゃった…。

法子は、職場のある品川駅から山手線に乗り、待ち合わせの恵比寿駅に向かっていた。

1分でも早く着けとばかりに、車体に念を送る。

黒田とは、合コン後も頻繁に連絡を取り合っていた。

高ぶる感情を悟られないよう、努めて平静を装いながらやり取りを続け、ついに事の約束を取りつけた。

今日はお互いに仕事が早く終わる見通しとのことで、18時に駅前で落ち合う予定だったのだが、午後の打ち合わせが思いのほか長引いてしまった。

― よし!着いた!

電車がホームに到着し、ドアが開くと、西口方面へと急ぎ足で向かう。

改札を出て、西口の交番付近で黒田の姿を探す。

― あれ?いない…。どこ?

法子はスマートフォンを取り出し、連絡を取ろうとすると、1件のメッセージが届いていることに気づく。

『お疲れさまです!』

法子が送った遅刻する旨を伝えるLINEに、黒田から返信が届いていた。

『実は僕も急な予定が入ってしまったところで…。残念ですがまた日を改めましょう。店にはキャンセルの連絡を入れておきます』

法子はガクッと肩を落とした。

― もう…。聞きたいこと、いろいろあったのに…。

実は、黒田の誕生日が近いという情報を入手しており、どんなプレゼントを贈ればいいか、探りを入れる目的がこの食事会にはあった。

関係を一気に進展させようと意気込んでいたものの、足踏みする形となってしまった。

法子が大きくため息をつくと、傍らから女性の声が耳に届いた。

「法子さん…ですか?」

振り向くと、ネイビーのパンツに黒のニットを合わせた地味な服装の女性が立っていた。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
冒頭、約束の時間に一時間も遅刻するとか初対面のさくらにタメ口だったり、ストーリー内容よりも法子の程度の低さが目立っていて残念。
2023/11/16 05:1837返信4件
No Name
ハイブランドのコピー品売るのは違法だけど、どこで売ってるんだろう? 東南アジアとかの露店?笑
分かってて購入してこんな形でプレゼントする法子の品格を疑う。くだらない男に一目惚れして「ナンバーワンになりたい♡」とか息巻いてたくせに、くだらん。
2023/11/16 05:3123返信6件
No Name
さくらは猛烈にアプローチされたから好きになったかもしれないけど、主人公の1回目デートから雑に扱われてる設定!
2023/11/16 05:4510
もっと見る ( 25 件 )

【男と女の東京ミステリー】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo