2023.10.02
オトナの5分読書 Vol.7
下記のつい言ってしまいがちなフレーズ、言い換えてみましょう。
・絶対遅れるな
・やる気を出せ!
・サボるんじゃない!
押し付け型の命令は、相手の反抗心に火をつけ、かえってこじらせてしまう副作用があるほか、子どもや部下が自ら考え、行動する力を奪ってしまいます。
「しつけ」や教育という名目の行き過ぎた支配は、長期的に見てなんのメリットもありません。
・絶対遅れるな
➠締め切りギリギリにならないようにしたいよね
・やる気を出せ!
➠なんでモチベーションが下がったのか教えてくれる?
・サボるんじゃない!
➠どこが難しいんだろう。どうしたらいいかな?
明らかに「命令」より「提案」のほうが、相手の行動を導きやすいのではないでしょうか。
部下の「ほうれんそう」を待つより、「提案」や「問いかけ」のクセをつけていきましょう。
職場でも、一方的に決めつける前に、落ち着いて、
・どうした?
・最近、仕事はどう?
・調子はどう?
・心配そうな顔をしているけど、何か困ってない?
・◯◯◯についてどう思う?
などといった声掛けから始めてみてください。
「命令型」は百周遅れ、令和の新しいリーダーシップ像とは
ここ最近、就任した新社長たちとお話しする中で、気づいたことがあります。
かつてのような「トップダウン型」「強権型」のリーダーは減り、「対話型」「共感型」のリーダーがとても増えているのです。
みなさん「話を聞くこと」や「対話」「チーム」を大事にしています。
サッカー日本代表の森保監督や、WBCで日本代表を率いた栗山監督なども「チーム重視」「全員がリーダー」と口にするように「共感・対話型」のリーダーシップを発揮していましたね。
「ダルビッシュさんは年下の選手にも同じ目線で話してくれています。そこで僕の意見を言って、またそれに対する意見をもらったりする」
千葉ロッテマリーンズの佐々木投手はこんなコメントをしていましたが、上下関係にこだわらず、フラットにコミュニケーションできるチームだったからこそ、最高の成績を残せたのではないでしょうか。
リーダーは「強権・教官型」から「共感型」へ。
これはグローバルの流れです。
実際にアップルのティム・クック、マイクロソフトのサティア・ナデラ、グーグルのサンダー・ピチャイなどは、まさに社員に寄り添い、背中を押す「共感」系リーダーの代表格。
イーロン・マスクのような例外もいますが、気がつくと、アメリカの企業リーダーはほとんどが「共感型」にシフトしています。
この潮流が日本にも押し寄せている、ということ。
とくに最近、職場で「心理的安全性」「エンゲージメント」が重要だなどとよく言われます。
心理的安全性とは、組織の中で、自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態を指します。
「エンゲージメント」とは、仕事や組織への愛着や、やる気などを意味しますが、日本ではどちらも絶望的に低い言葉問題視されてきました。
これらの「心理的安全性」や「エンゲージメント」などを実現するためにも対話力・共感力がますます重要になってきているということです。
今回紹介した、『世界最高の伝え方:人間関係のモヤモヤ、ストレスがいっきに消える!「伝説の家庭教師」が教える「7つの言い換え」の魔法』のすごいところは下記に集約される。
①コミュニケーション力は、「才能ではなく、スキルだ」ということを明確に言っているので、コミュニケーション上手になれると自信がつく
②「7つの言い換えルール」が実践的で、家庭や職場どんな場面でも実践しやすいものになっている。
③「世界最高の伝え方」は、文章による伝え方にも応用できることがわかるくらい、引き込まれる文章、構成になっている。
【著者】 岡本純子
「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション戦略研究家。
株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。英ケンブリッジ大学院国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。
読売新聞社に入社後、経済部記者として日本のトップリーダーを取材。アメリカでメディア研究に従事した後、企業経営者向けメディアトレーニング、プレゼンコーチングに携わる。
その後再び渡米し「グローバルリーダー」のコミュニケーション術を学ぶ。新聞記者時代に鍛えた「言語化力」「表現力」、PRコンサルタントとして得た「ブランディング」のノウハウ、アメリカで蓄積した「パフォーマンス力」「科学的知見」を融合し、独自の「コミュニケーション学」を確立。
現在は、日本を代表する大企業のリーダー、政治家など「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。著書に、シリーズ累計20万部を突破した『世界最高の話し方』『世界最高の雑談力』(共に東洋経済新報社)など。
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