
自動的に富が増え続ける、たった3語の呪文『JUST KEEP BUYING』とは
3. 世の中で唯一、絶対に取り戻せないもの
地球上で最も偉大な投資家、ウォーレン・バフェットと自分の人生を今すぐ交換してもいいという人は、いないだろう。たとえ、彼の全財産が手に入るとしても。
バフェットも、全財産を失うことと引き換えに20歳に戻るかと尋ねられたらすぐに「ぜひそうしたい」と言うだろう。
これは、医師で長寿の専門家であるピーター・アッティアの“寿命をのばす方法”をテーマにした2017年の講演での問いかけだ(当時、ウォーレン・バフェットは87歳)。
この質問について考えたとき、お金より時間のほうがはるかに価値があると直感的に理解できるのではないだろうか。時間があれば、お金では絶対にできないことができる。
23歳のとき、私は30歳までに50万ドルの資産をつくると決心した。その時点での資産は2,000ドルしかなかった。
2020年11月、私は31歳になっていたが、資産は50万ドルに達していなかった。
ただし、努力が足りなかったわけではない。
私は8年以上フルタイムで働き、4年間ブログの執筆に週10時間を費やしてきた。支出を抑えることにも注力していた。
大きな要因は他にあった。それは、キャリアの早い段階で良い決断をすることだ。私にとって1番重視すべきだったのは、お金ではなく、時間だったのだ。
友人の多くは、大手IT企業(Facebook、Amazon、Uber等)で働き、株式報酬で多額の資産を手にしていたのに対し、私は同じコンサルティング会社で6年間働き続けた。
給与は悪くなかったが、株式報酬はなかった。手遅れになるまで自分が何を逃したかには気づかなかったのだ。
大手IT企業に勤めていた友人たちは、自社株が高騰したタイミングでストックオプションを行使し、百万長者(少なくとも50万ドル)になった。
こういった友人たちのことをラッキーだとみなすのは簡単だが、それは言い訳にすぎない。
なぜなら、こうしたIT企業に転職するチャンスは私にも何度もあったからだ。だが、私はチャンスをすべて見送った。
問題は、27歳になるまで自分のキャリアについて真剣に考えてこなかったことだ。
ニューヨークの連邦準備銀行の研究によれば、個人の収入が最も急速に増加するのは、仕事を始めてから最初の10年間である(25~35歳)。
23歳の私は、投資のポートフォリオではなくキャリアのことを重視すべきだったのだ。
私の失敗の原因は、お金は時間より重要な資産だと信じていたことだ。それが誤りだと、あとになってようやく気づいた。
お金は後からでも稼げるが。だが、時間は取り戻せない。
4. 本書のココがすごい!
今回紹介した、『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』のすごいところは下記に集約される。
①貯金や投資の方法がシンプルかつ具体的なので、すぐに行動にうつせる。
②過去100年以上に及ぶ金融データを分析し、株式や債券だけはなく、不動産やエンジェル投資など多岐にわたって書かれているので、初心者だけではなく、経験者にも役に立つ。
③「お金」を入り口に自分の人生プランを見直すことができるので、人生の指南書ともいえる。
【著者】ニック・マジューリ
Ritholtz Wealth Management社の最高執行責任者兼データサイエンティスト。同社の業務全体を監督し、ビジネスインテリジェンスの観点から有益な分析を行っている。ウォール・ストリートジャーナルやCNBC、ロサンゼルス・タイムズなどに記事を寄稿。緻密なデータに基づくパーソナルファイナンス関連の人気ブログを執筆している。
【訳者】児島 修
英日翻訳者。英日翻訳者。訳書に『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』などがある。
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