2023.08.06
多種多様な商業施設が次々とオープンして、ここ数年で大きな変貌を遂げた下北沢。
そこにはイマドキな店が多数入り、下北沢に新しい風を吹かせている。
今回は、4つの商業施設から大人が本当に使える店6軒をピックアップ。これを知れば“下北”がもっと楽しくなる!
【店選びの条件】
■磐石のイマドキな店が手掛けている
他エリアで人気を確立している店の系列だから、実力は折り紙付き。味・雰囲気ともに安定のクオリティを実現できる。
■コスパのいいつまみの数々がある
駅前の立地だから、幅広い層が満足できる料理が基本。しかも、価格帯もこなれているから、毎日でも通いたくなる。
京王井の頭線の高架下に誕生した5つの街区からなる施設。ネーミングは多様な文化が交差し、変わり続ける“未完”に由来。
個性的な飲食店が中心の商業エリアとワークプレイスがある。
京王井の頭線の改札を出てすぐ。「ミカン下北」の玄関口にあるのが『下北六角』だ。
木のカウンターやテーブルを設えた、肩の力が程よく抜けた洒落た空間。三軒茶屋の人気居酒屋『三茶呑場マルコ』の系列と聞いて、本店にも通じる親しみやすい空気感に合点がいく。
こちらの店は焼酎を主軸に置き、それに合うつまみを提案。
店主をはじめ九州出身のスタッフが多く、九州の食材やローカルフードを取り入れたメニューが充実。
例えば、鹿児島県産地鶏の大摩桜鶏は刺身でも食べられる鮮度で、〆には奄美大島の郷土料理「鶏飯」をアレンジした逸品も。
定番のメニューに、ほんのり九州色を添えたラインナップは食指が動かされるものばかり。
盛りの良さもあり、リピーターの多さも納得だ。
「大摩桜鶏の爆弾」1,200円。
歯応えはありながら、身質はやわらかな大摩桜鶏のむね肉を生のまま厚切りに。
山芋、オクラ、納豆などと混ぜ合わせていただく名物。
焼酎はソーダ割りや、芋焼酎、黒糖焼酎のカクテルなどもそろえ、新たな焼酎の楽しみ方を教えてくれる。
多彩な仕掛けで飽きさせない手腕は、数々の店舗を成功させてきた実力店だからこそ。まず訪れたい一軒だ。
■店舗概要
店名:下北六角
住所:世田谷区北沢2-11-15 ミカン下北 A街区 205
TEL:03-6450-9177
営業時間:ランチ 11:30~14:30
ディナー 17:00~(L.O.22:00)
定休日:無休
席数:カウンター10席、テーブル16席、テラス16席
多国籍な食ジャンルがそろう「ミカン下北」で、本場さながらのベトナム料理を味わえるのがこちら。
「チョップスティックス」は、20年前に高円寺で創業し、中央線沿線を中心に店舗を展開する、ベトナム料理ブームの草分け的存在だ。
ここ数年は洗練されたベトナム料理が台頭しているが、同店が提案するのは本国で親しまれている“屋台の味”。
オーナーが毎年現地に足を運び、日本では珍しい各地の郷土料理を本場の調理法や食べ方で再現している。
例えば、生や揚げがポピュラーな「春巻き」を“蒸し”でいただくというのも、そのひとつ。
「蒸し春巻き」650円。
ワンタンのようなモチモチでつるんとした食感が楽しい蒸し春巻き。キクラゲの食感もポイント。
唯一、本場と異なるのがフォーやブンなどの麺。
独自で開発した、日本初の国産米粉で作った米麺を製麺。もちもち食感と、確かな米の香りを感じるはずだ。
「ブンボーフエ(フエ風牛焼肉のせ汁麺)」950円。「ブン」という太麺で味わうフエ名物の汁麺。
辛くてしっかりとした味のスープにコシのある太麺がマッチ。常連客に人気。
軽めのベトナムビールや焼酎が抜群にマッチ!
昔のハノイのカフェを思わせる、ベトナムアンティークが飾られた空間はカジュアルなデートにも最適で、これからの時期はテラスもオススメ。
ベトナム人スタッフの接客も相まって、ショートトリップ気分は相当だ。
■店舗概要
店名:チョップスティックス下北沢店
住所:世田谷区北沢2-11-15 ミカン下北 A街区206
TEL:03-6805-5833
営業時間:【月~金】ランチ 11:30~(L.O.14:30)
ディナー 17:00~(L.O.21:00)
【土・日・祝】ランチ 11:30~17:00
ディナー 17:00~(L.O.21:00)
定休日:無休
席数:テーブル28席
【店選びの条件】
■内装もスタッフも気楽でお洒落
せっかくなら、人も空間も全開の“下北”らしいお洒落な空気感を味わいたい。いるだけで高揚する空間がここに。
■つまみがビールを美味しくする
夏のこの時期こそ、サクッと飲むならビールが正解。そこに合わせる最高のつまみがあれば、満足度は抜群に上がる。
小田急線下北沢駅南西口改札を出てすぐにある複合施設。
ミニシアターやシェアオフィスなどを備えた「(tefu)lounge」と、地域の暮らしを豊かにする食をテーマにした店が並ぶ。
小田急線下北沢駅の南西口を出ると、広場越しの2階に洒脱な空間が見える。
ある人はカウンターでビールを嗜み、ある人はズラリと並ぶ缶を選んでいる。ここが「NANSEI PLUS」の2階にある『TDM 1874 下北沢』だ。
創業149年の横浜の老舗酒屋『坂口屋』が手掛けるビアバーで、自社醸造の造り立てのクラフトビールを味わえる。
6タップのうち5つがオリジナル、ひとつはゲストタップ、さらに「アサヒスーパードライ」を2種の注ぎ方で味わえる生ビールを用意。
缶のクラフトビールも圧巻の品ぞろえで、お洒落なデザインを眺めているだけでも楽しい。
何より決め手はビールのお供のレベルの高さ。
アメリカンな料理が並ぶが、中でも「ナッシュビルチキン」はピカイチ。
バターミルクでほんのり甘く仕上げたチキンに、ザクザク食感の衣をコーティング。ピリ辛のソースをまとえば、その相性は最強クラス。
サクッとだが、すこぶるハイレベル。それが今の“下北”なのだ。
■店舗概要
店名:TDM 1874 下北沢
住所:世田谷区北沢2-21-22 NANSEI PLUS 2F
TEL:03-5787-5411
営業時間:【月~木】12:00~(L.O.20:00)
【金】12:00~(L.O.21:00)
【土・日】11:00~(L.O.20:00)
定休日:無休
席数:カウンター7席、テーブル8席
駅を出て、世田谷代田方面に向かう遊歩道沿い。散歩する人が多く行き交うこの場所で、人気を集めているのが『KITADE TACOS 下北沢店』だ。
空間もスタッフもストリート感満載で、そのラフなノリもあって外国人客にも人気が高い。
こちらは、神田にあるメキシコ料理店『北出食堂』の新店。今でこそ、タコスをウリにしたお店も増えたが、店主の北出茂雄さんが提供しはじめたのは10年前。
以前暮らしていたNYで、身近なストリートフードだったタコスに注目し、お店をオープンした。
北出さんがこだわったのは、国内でも珍しい北海道産のとうもろこし100%で作る自家製のトルティーヤ。
ほんのり甘いトウキビの香りを楽しめる生地はそのままでも美味しく、それに巻く具材やソースも手間暇かけたものばかり。
それらに合わせたいのは「テカテ」や「ソル」などのメキシカンビール。軽い飲み口がタコスと合う。
本場のレアなテキーラにも注目!
ラテン気分が高まるテキーラやメスカルも充実。
フルーティーな香りやバターのような甘い香りなど、テキーラの印象が変わるレアな銘柄にも出合える。
ワンショット 715円~。
サクッと訪れ、タコスで一杯。常連客のスタイルをまねて雰囲気に酔いしれたい。
■店舗概要
店名:KITADE TACOS 下北沢店
住所:世田谷区北沢2-21-22 NANSEI PLUS 1F
TEL:03-6805-5514
営業時間:【月~木】ランチ 11:30~15:00
ディナー 17:00~(L.O.21:00)
【金】ランチ 11:30~15:00
ディナー 17:00~(L.O.21:30)
【土・祝前日】ランチ 11:30~15:00
ディナー 15:00~(L.O.21:30)
【日・祝】ランチ 11:30~15:00
ディナー 15:00~(L.O.21:00)
定休日:不定休
席数:テーブル15席、カウンター7席、テラス4席
【店選びの条件】
■既視感のない料理が楽しめる
思わず人に伝えたくなるような、珍しい料理がずらり。しかもそれが抜群に美味しければ、誰かに評判を伝えたくなる。
■食通の間で話題を集める
この店を目的に、下北沢に来るような話題のお店。オープン以降、多数のフードメディアにも取り上げられる。
下北沢南口商店街の裏手に潜む。路地の突き当りにある3階建ての商業ビル。
人気の飲食店と謎解きエンターテイメント施設が集結した、食と文化の発信地になっている。
予約の取れない名店『カルパシ』。インド亜大陸のカレー店として知られるが、その3店舗目として、昨年末のオープン以来、注目を集める『BhelPuri』。
食通からの視線も熱く、メディアでも多数取り上げられている。
店に立つのは、タイ料理店などで長くシェフを務めてきた小師直樹さん。インドやタイの料理だけでなく、中東やヨーロッパも含めたユーラシア料理を提案。
「国にとらわれず、スパイスを使った料理を出したかったので、大きなくくりでユーラシア料理としました」と、スパイスだけでなくフェンネルなど爽快な香りのハーブも巧みに使い、各国の伝統料理を提供。
ミャンマーの「ラペットゥ」、中東の「マサバハ」など、珍しい料理ばかりで、好奇心がくすぐられる。
ミャンマーの発酵茶葉を使った「ラペットゥ」1,000円。
発酵茶葉とひよこ豆のロースト、干しエビなどをナンプラーなどで和えたサラダ。茶葉の酸味と青唐辛子のさわやかな辛みがアクセント。
中東のフムスをベースにした「タコのマサバハ」1,600円。
フムスにブラックオリーブを練り込み、白ワインビネガーやディルでタコをマリネ。ケイパーなども添えて。
また、「スパイス料理には、ゆるやかに組み合わせられるナチュラルワインが最高です」と、グラスで10杯以上そろえるのも嬉しい。スパイシーな食体験をぜひ。
ボトルワインは約50種類をそろえる。フランスやイタリアだけでなく南アフリカのナチュラルワインもある。
グラスワインは1,000円~。
■店舗概要
店名:BhelPuri
住所:世田谷区北沢2-12-2 サウスウェーブ下北沢 1B
TEL:080-9447-3004
営業時間:ランチ 12:00~15:00
ディナー 17:30~(L.O.22:00)
定休日:不定休
席数:カウンター6席、テーブル10席
【店選びの条件】
■豪華食材の数々を堪能できる
産地にこだわった魚介や、旬を感じさせる食材など。気軽にそういった贅沢食材を楽しめるお店こそ、覚えておきたい。
■ワイン片手に優雅に過ごせる
“下北”デートでギャップを見せつけたいなら、極上のワインを楽しんでみては。経験豊富なソムリエがアテンドしてくれる。
下北沢と東北沢駅の中間にある全24区画の低層分棟施設。店主の顔が見える個性豊かなテナントを展開。
屋外通路にはテラスやベンチが設置され、開放感抜群。散策する気分で巡れる。
日常のデートで鮨、といえば抜群に贅沢。そこで、今の“下北”らしいエッセンスも感じられる、ちょうどいい鮨の新店となれば『はしり下北沢』が正解。
実はこちら、サンフランシスコで3年連続一ツ星の鮨店が手掛ける折り紙付きの一軒なのだ。
オススメの「おまかせコース」は1万1,000円という価格で、日常の贅沢デートにぴったり。
シャンパンで乾杯した後は、「八寸」からスタート。鱧やイワシの棒鮨で季節を感じ、白身や焼き物を楽しんだ後は、名物の「うに混ぜイクラ丼」を堪能。
そして、メインの本まぐろ尽くしでは「大トロ」、「中トロ」、「赤身」と「まぐろのミルフィーユ」が登場。
贅沢食材の連打に幸せを感じるはず。
炙って脂をなめらかにした「大トロ」。
鮨はワインに合うようにシャリの酸味を控えめにしている。
そして、脇を固めるのがウォークインセラーに並ぶ120種類のワイン。
ブルゴーニュやナチュラルワインをラインナップ。
ペアリングが得意というソムリエ茂野匡晃さんの存在も頼もしく、身を委ねるべし。
週末、〝下北〞デートの〆には、こんなちょっとした贅沢が嬉しいものだ。
■店舗概要
店名:はしり下北沢
住所:世田谷区北沢3-19-20 リロード内 1-6区画
TEL:03-6407-1233
営業時間:【月・火・木~土】17:30~(L.O.21:30)
【日】ランチ 12:00~(L.O.13:00)
ディナー 17:30~(L.O.21:30)
定休日:水曜、第2・4木曜
席数:カウンター10席
今月の『東京カレンダー』は「下北沢という刺激」特集。初めて特集する「下北沢」で大人が楽しめる店だけを厳選してピックアップ。
普段行き慣れないエリアを攻略してこそ、東京の大人だと改めて実感した。「下北沢」は若者だけに遊ばせておくのはもったいない!
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※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今号は7/21(金)から。
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