
ブランド物を身に着けていると得をする!?脳科学の観点から見ると驚きの事実が…
お金があればあるだけいいと考えがちだが、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの2010年の研究によると、年収7万5千ドル(当時の相場で約630万円)以上を稼ぐと、年収上昇に比例していた幸福感が頭打ちになる傾向が明らかになった。
人は、お金が増えたからといって幸せになるわけではないということだ。
2011年度の内閣府の調査でも、世帯年収が1,200万円あたりで、幸福度は頭打ちになることがわかった。
「年収1,200万円もあれば幸せに決まっているじゃない!」と思いがちだが、それだけ稼ぐ力があるなら、おそらく自分のまわりにはさらに多く稼げる人たちとの交流があるだろう。
すると、そこで人間は、やはり自分と他人を比べてしまう。
自分より収入の多い人が現実にたくさんいることを知ると、今の自分に満足できなくなるのだ。
そうして身近な他人と比べることで、幸福度は低くなっていくと考えることができる。
5. お金で不幸にならないために
お金にはどんな価値があり、お金があれば自分に何ができるのかを、一人一人が改めて考えを深めてみるとよい。
お金とはいったい何か?
どのくらいお金があれば自分は生きていけるのか?
どうすればみんな気持ちよく(私の仕事に)お金を払ってくれるのか?
こうしたことを考えるのに、特別に高いIQなど必要ない。
それよりも自分なりに考えて小さく試してみるのがコツだ。失敗したら、その時にまた新しい方法を考えればよい。いわば理科の実験のようなものかもしれない。
そうして、普段からお金について親しみを持って扱っていると、お金についてむやみに悩むことも自然と減ってくるだろう。
突然の景気悪化などで経済的ダメージを受けることがあるが、そうした出来事は、お金と向き合う大切さを教えてくれているのかもしれない。
お金で悩んだときは、それを逆に変化の好機ととらえて、「なぜうまくいかなかったのだろう?」「どこに脆弱性があったのだろう?」と一歩踏み込んで、これまでとは違う仕事の仕組みや方法を模索するのがよい。
2020年以降に新型コロナウイルス禍という突然の波があったが、いずれにせよ近いうちにAIの普及などの大波もやってくるので、今のうちに考えておくことに越したことはない。
6. 本書のココがすごい!
今回紹介した、『賢くしなやかに生きる脳の使い100』のすごいところは下記に集約される。
①人間関係や将来について、なんとなくモヤモヤしていることの原因や解決策を脳科学の観点から、的確に示してくれる。
②「100のメソッド」が紹介されているが、どのページから読んでも大丈夫なので実践しやすい。
③本を読んでいるだけなのに、セラピーを受けているように心が軽くなる。
著者 中野信子氏/脳科学者、医学博士、認知科学者
1975年東京都生まれ。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士取得。
フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。
現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。
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