透き通る海と、どこまでも続く青い空。
ゴルフやショッピング、マリンスポーツなど、様々な魅力が詰まったハワイ。
2022年に行われたある調査では、コロナ禍が明けたら行きたい地域No.1に選ばれるほど、その人気は健在だ。
東京の喧騒を離れ、ハワイに住んでみたい…。
そんな野望を実際にかなえ、ハワイに3ヶ月間滞在することになったある幸せな家族。
彼らを待ち受けていた、楽園だけじゃないハワイのリアルとは…?
「ハワイに憧れて」一挙に全話おさらい!
第1話:親子留学も兼ねてハワイに滞在。旅行気分で浮かれていた妻が直面した現実とは
「夏休みを挟めばいいよ。その間に現地のサマーキャンプとか現地の学校に通わせてさ。ざっと調べただけでも、色々とあるみたいだよ」
圭介は持っていたスマホを由依に向ける。
そこには、ネットで調べたサマーキャンプの情報が載っており、子ども用のヨットクラブやサーフィン、ハワイアンクッキングなど、楽しそうなものが並んでいる。由依は子どもたちの表情を見ながら、考えを巡らせた。
「まあ…良いかもね」
押し切られたように発した由依の言葉に、みんなが喜ぶ。こうして、ハワイに短期間住むことになった。
第1話の続きはこちら
第2話:港区のタワマンで、突然ママ友から無視されるようになって…。高層マンションにありがちな事情とは
「ハワイに住まわれているんですか?うちの子どもたち、今日からこのプログラムに参加していて」
由依が尋ねると、女性は笑顔を見せた。
「あ、はい。うちも今日からなんです。あなたも現地?」
「いえ、うちは短期で来ていて…」
タンクトップにデニムの短パンをはいたその女性は、由依の格好を一瞬見て、表情を変えた。
第2話の続きはこちら
第3話:35歳過ぎたら、日本での婚活は厳しい!?女が“ハワイ婚活”に手を出したら、思わぬ結果に…
「すごい勢いだけど、マコ、お腹減っていたの?」
由依が茶々を入れるのも聞かずに、黙々と食べるマコ。綺麗に平らげた後、大きなグラスに入れられたアイスティーを半分ほど一気に流し込むと、ドンっと机にグラスを置いて、ふうーとため息をついた。
「…何かあった?」
由依が心配そうに尋ねると、マコは顔をくしゃっと歪ませて言った。
「ちょっと聞いてよ!私、ハワイ婚活してたんだけど、騙されてたの…!」
「ハワイ婚活…?」
第3話の続きはこちら
第4話:23時、夫の携帯に着信が…。男の名前が表示されているが、女が怪しいと思ったワケ
「なんか、最高だな。このままずっとここに住んでもいいかもな」
「そうだね。ここでのんびり暮らせたら最高だね、仕事さえあれば。でも、リラックスしすぎて、仕事する気が起きないかもよ?」
由依の答えに、圭介が「現実主義だな」と笑う。
「でもさ、いいと思うんだよな。日本からハワイに移り住む有名人もたくさんいるだろ?子どもたちも、こういった自然の多い中で過ごすのもいいと思うんだよな」
「急にどうしたの?」
これまで仕事人間だった圭介らしからぬ発言に、由依は驚く。だが、圭介は特に答えず、子どもたちを笑顔で眺めていた。
第4話の続きはこちら
第5話:「娘の顔が、夫にも私にも似ていない」母親がひた隠しにする秘密とは
横にいた圭介が声を出し、寝返りを打つ。ハッとした由依は我にかえり、息を止めて微動だにせず、圭介の方を見つめる。
数秒経つと、彼はスーッスーッと寝息をかいた。由依はほっとして「ハー」と無音で深くため息をつき脱力した。
彼のスマホを見返すと、すでにロック画面になっている。着信4件。由依が見ることができたのは、たったそれだけ。
結局、それが平井直人という人物からのものなのか、本当は藤井直子からのものだったのかはわからなかった。
第5話の続きはこちら
第6話:彼氏に内緒で突然会いに行ったら、家に入れてもらえず…。告げられた残酷な真実とは
先日Notrh Shoreに行った帰りに寄った『Green World Coffee Farm』で買ったフレーバーコーヒーを淹れると、部屋中にバニラとナッツのような甘い香りが立ち込め、由依は少しだけ心が落ち着いた。
その時、LINEの着信があった。こんな時間に珍しいと思い名前を確認すると、姪の日菜子からだった。
「由依ちゃん?よかった、出てくれて!実はね、今空港にいるんだけど、彼氏と連絡が取れなくて。由依ちゃん迎えに来てくれない?」
「空港?彼氏?」
第6話の続きはこちら
第7話:「ちょっと出てくる…」20時頃、慌てて出かける夫。不審に思った妻は、ある物を鞄に忍ばせ…
「きっと、愛香ちゃんがLINEをしてる相手って、彼氏だよ」
姪の日菜子は、10歳の愛香がコソコソとLINEをしているのを見て、由依にそう言った。
愛香には、親がいつでも確認していいという条件で、ハワイに来ている間だけ、iPadでの友人とのやりとりを許している。
だが日菜子にそんなことを言われ、由依は少し気になった。相手が彼氏だとしても、内容に問題がなければ別にいい。ただ、そのことを由依に内緒にしていることが気になったのだ。
由依と日菜子はリビングに置いてあるiPadを手に取り、開く。そしてLINEのアプリを探し出し、タップした。すると、ある表示になった。
第7話の続きはこちら
第8話:夫の鞄に“GPS付きイヤホン”を忍び込ませた女。21時過ぎ、彼が向かった先は…
21時過ぎ、慌てて出ていく夫の圭介を由依は笑顔で見送った。
直後、由依はワイヤレスイヤホンのアプリを開き、イヤホンがある位置情報を確認する。イヤホンは、圭介の居場所を突き止めるために由依が、彼のカバンに忍び込ませておいたものだ。
すると、圭介が、家からすぐのアラモアナセンター内に移動していることが確認できた。
― よかった…。徒歩圏内だわ。
由依は急いで身支度をし、リビングでのんびりとNetflixを見ている姪の日菜子に声をかけた。
第8話の続きはこちら
第9話:離婚して10年経っても、元妻に会い続ける男。不審に思った現妻が、夫を問いただすと…
「そういえば昨日さ、モールで女の人に会ったんだよね。愛香の知り合いみたいだったから、友達のお母さんだと思うんだけど、やけに親しげでさ」
「誰だろう?愛香の知ってる人か…。明美さんか美希さんか…?」
由依は名前を上げると、日菜子は頭を横にふった。
「挨拶したんだよね。えっと確か、なんちゃら“ナオ”だったかな…?」
聞き覚えのある名前に、由依は顔が強張った。
第9話の続きはこちら
第10話:突然、離婚を突きつけられて驚く男。数年後、ようやく妻が出ていった理由を知り…
突然部屋に鳴り響くチャイム。夫とケンカ中だというのに、子どもたちがもう帰ってきてしまったのかと、由依は玄関に行く。
しかし、覗き穴から見えたのは、子どもたちでも、姪の日菜子でもなく、40歳くらいの女性。
目鼻立ちのはっきりとした美人で、サングラスを手に持ち、新作のシャネルのチェーンバッグを肩から下げている。
圭介の元妻・藤井直子だとすぐにわかった。驚きのあまり、由依の体が硬直する。
だが、長い間由依が悩まされていた直子が、今、実際に目の前にいるのだ。
第10話の続きはこちら
第11話:再婚して8年。突然、元妻が現れ、要求してきた“とんでもないコト”とは
由依たちは慌てて廊下に出てみるが、愛香の姿は見えない。エレベーターを確認すると、一つはロビーに、一つは駐車場のある階に止まっていた。
「日菜ちゃん、いつ帰ってきたの?愛香は何か言ってた…?」
「何も。でも“愛香は私の実の子“っていうのが聞こえて…」
うろたえながら答える日菜子の言葉を聞いた由依は、冷静さを欠いて直子に問いただす。
「愛香は直子さんのこと、どこまで知ってるの?まさか、全部話したの?」
由依の勢いに圧倒され、直子は顔をしかめた。
第11話の続きはこちら