2023.01.20
まるで現地に訪れたかのような陽気さ!渋谷で本場の味を楽しめるスペイン料理店をご存じだろうか。
日本国内でも指折りの歴史を誇り、オーナーが店に立ち続けながら、本物の美味しさを伝えてきた名店だ。
今回は、美味しくって楽しい、デートにもおすすめの一軒を紹介する!
◆
※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
スペイン料理店『エル・カステリャーノ』は、今年で創業45周年を迎える。
246沿いのビル2階にひっそりとあるが、堂々掲げられたスペイン国旗と闘牛士を思わせる赤が目印。
今やこのエリアになくてはならないランドマークだ。
現地さながらの仄暗い空間で、本場仕込みの料理とワインを分かち合う
ムード漂う照明が現地のバルを思わせる。壁一面にみっちりと書き込まれた落書きが圧巻だ。
壁を埋め尽くす、無数の書き込みが歴史を物語る。
今夜も満席で心地よい喧騒は不変。いつものようにテーブルをオーナーのビセンテ・ガルシアさんが回り、笑顔で冗談を飛ばしている。
「毎晩、美人なお客さんと話すからね。だから、ずっと元気」
駅から離れていても渋谷の生き字引に会いたくなる!
御年74歳のガルシアさんが『エル・カステリャーノ』を開いたのはまだ29歳の時。
当時はまだパエリヤも一般的でなく、渋谷二丁目も駅から遠く、不便なイメージ。しかし、「美味しければお客さんは必ずくる」とガルシアさんは信じていた。
なぜなら、母国の料理に絶対的な誇りを持っていたから。
だから、味はもちろん、食べ方やマナーでも同じルールを遵守する。間違った食べ方をしたら「そんな食べ方しない」と遠慮せずに注意する。
名物オーナーに聞いた、スペイン料理の嗜み方とは?
誘って間違いないが、ルールを知らずして訪れるべからず。
ガルシアさんが押さえるべきポイントを伝授。粋にエスコートしよう。
【Rule1】生ハムは手の熱で脂を溶かしながら!
「生ハムは手で食べるのが本式。薄くスライスするから、持つと手の熱で自然と脂が溶け出すんだ。
ハモン村のものは旨みも強くて、香りもいい。指についたその味も舐めて楽しまなきゃダメ」
【Rule2】アヒージョはパンとセットでひと皿!
イワシの濃厚な出汁が、ニンニクの香味と完璧にマッチ。
「イワシのアヒージョ」1,200円。
「“アヒージョ”って意味、知ってる?細かいニンニクのことよ。どこも目一杯オイルを入れるけど、ニンニクとよく絡まったこれが本物。
それからこの料理は、パンと一緒じゃないと脂っこくて塩辛いだけだから成立しないの!」
【Rule3】ディナーを〆る逸品は必ず男性が取り分ける!
「パエリヤの語源は『Para Ella』=『for Her』。元々は男が作る料理だったんだよ。
だから、レストランでも男が取り分けないとマナー違反になって女性にも失礼。紳士の腕の見せ所だよ!」
スペインの家庭の味を象徴する素朴な男料理
「バレンシア風パエリヤ」
開店当初から提供する名物で米は絶対洗わず、具材の旨みを存分に吸わせるのがお約束。
ガルシアさんの故郷はウサギ、カタルーニャならイカ墨と、その土地によって具材はさまざまで、元々は週末に男性が家族に振る舞う家庭料理だった。
バレンシア風はムール貝、エビ、アサリ、チキンのいわゆるミックスパエリヤ。
お米の名産地でもあったことから、このスタイルはスペイン全土に流布。本国でも定番の取り合わせになっている。3,800円。
店の実力が表れる“オムレツ”は注文必至!
ポテトを揚げて卵と合わせるのが伝統。
「日本人のおにぎりと一緒で、スペイン人なら全員作れる」。その言葉に、絶対の自信がにじむ。
「スペインオムレツ」1,000円。
ビールやワインもスペイン産で統一!
ワインは名産地リオハをはじめ、ラ・マンチャやカタルーニャなど、全土からリストアップ。
ビールも「クルスカンポ」(700円)でそろえ、徹底している。グラス 600円、ボトル 3,800円~。
裏メニューのデザートも絶品!
アーモンド、卵、砂糖だけで作るデザートで、ガリシア地方伝統の味。
ガルシアさんにオススメを聞くと出てくる。「アーモンドケーキ」1,000円。
◆
オーナーが守り続ける故郷の味と熱気を、大切な人と楽しんでみてはいかがだろうか。
▶このほか:恋人との記念日に訪れたい!至高の美味を堪能できる注目の和食店6選
■店舗概要
住所:渋谷区渋谷2-9-11 インテリックス青山通ビル 2F
TEL:03-3407-7197
営業時間:18:00~23:00
定休日:日曜
席数:テーブル26席、カウンター4席
今月の『東京カレンダー』は「大人は渋谷を賢く使う」特集。渋谷デートも大人が楽しめる実力派レストランならもっと楽しくなる!
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