東京都内には、“お嬢様女子校”と呼ばれる学校がいくつもある。
華やかなイメージとは裏腹に、女子校育ちの女たちは、男性の目を気にせず、のびのびと独自の個性を伸ばす。
それと引き換えに大人になるまで経験できなかったのは、異性との交流だ。
社会に出てから、異性への接し方に戸惑う女子は多い。
恋愛に不器用な“遅咲きの彼女たち”が手に入れる幸せは、どんな形?
恋愛経験が乏しいお嬢様SE:加奈子【前編】
「ねえ、加奈子、生徒会長やってた子の名前覚えてる?…あの子結婚したらしい」
「えーあんな地味で、男子に興味なさそうだったのに!?」
今日は、聖マリアンナ豊心女子大学附属高校時代の同級生6人で、表参道『CICADA』で女子会だ。
私は、彼女たちとは高校3年生の時に同じクラスになり、32歳になった今でも、定期的な交流を続けている。
メンバーの総称は「HELP」。
高校時代はなにかと名称を付けがちだった。
クラス内の派閥争いがあった時のことを“源平合戦”だなんて呼んでいたことも、今思うと笑えてくる。
“困ったことがあったらすぐに助け合う存在でいよう”なんて意味で、高校時代に名付けたのは私だが…今思うとあまり縁起の良くない響きだ。
「豊女卒の結婚のパターンって、だいたい3つに分かれるよね。
王道は、そのまま豊女大に進んで、インカレサークルに入って早稲田とか東大の彼氏ゲットして結婚。もしくは、大手企業に新卒一般職で入社して、社内結婚して寿退社。
そして、私たちみたいに、仕事頑張りすぎて独身貫いてるパターン」
この会で幹事的ポジションの夏帆が呟く。
それぞれ彼氏ができたり、別れたり、恋愛事情に動きはあるものの、私も含めて全員に共通していることは、未だ“独身”であるということ。
決して結婚していないことが悪いことではないし、こうやって気兼ねもなく自由に遊べることは楽しい。
だけど、他人の恋愛、結婚の噂を酒の肴に盛り上がり、羨ましさ故に人の幸せにケチをつけているうちに、私たちの20代が終わってしまった。
この記事へのコメント
この条件にマッチする男性と週一ペースで3ヶ月も会えてたのもすごいけど、全てお断りって.....。東カレ小説に出てくる相談所担当者は結構意地悪なのに高島さんはいい人過ぎ🥺