年末デートに高級中華という選択肢はアリ!恋人との大切な日にぴったりの注目店2選

2.コスパ抜群の四川料理を堪能!実力派の一軒家レストラン@西麻布
『Ji-Cube』


西麻布の住宅街に佇む、庭付き一戸建てが丸ごとレストランという設定にまず驚く『Ji-Cube』は、ハイクラスな立地にもかかわらず、コースを1万円台で提供。

しかもシェフは、あの巨匠の薫陶を受けており、実力は折り紙付きだ。

表札代わりの看板がなければ分からないほど、一軒家そのまま。庭にある勝手口が1階カウンターへのエントランス。表の玄関は2階個室への入口で、動線を分けてお忍び感も確保


シェフの佐々友和さんは四川料理ひと筋を貫いて25年以上。

あの菰田欣也さんを長年支え、『4000 Chinese Restaurant』では料理長も務めた。それゆえ、伝統の麻辣な料理はさすがの仕上がり。

熱気とともに立ち上る豊かな香り、痺れる辛さの奥に潜む複雑な旨みで、師匠譲りの実力を発揮している。

名店のDNAを色濃く受け継ぐ少量多皿コースのコスパに驚嘆


右上.ミスジにキノコの一種であるカソウカを合わせた「和牛の麻辣仕立て」。

左上.さわやかな「花椒香る焼茄子」。

左下.辛いが後味スッキリな「カツオの豆板醤和え」。

右下.ココナッツシュレッドが香ばしい「巻海老の砂金仕立て」。

真っ赤なカウンターで供されるハイセンスな中華に、ふたりの温度は急上昇!

右上.たっぷりの具材が豪華な「松茸とフカヒレのスープ」。左上.13種のスパイスが複雑に香る「穴子の五香煮」。左下.加藤ポークの旨みを生かした「回鍋肉ご飯」。右下.衣が美味しい「ユウリンチィ」


一方、麻辣でない中国料理にも積極的で、そちらも出色の出来。

例えば、秋の春巻きはゴボウと舞茸を具材に活用。「香りと食感を素朴な甘みで食べさせたい」と、蒸し栗のすり下ろしを振りかける。

肉や魚の強い旨みに頼らず、秋野菜の繊細な滋味で構成した斬新な点心だ。

「食材の持ち味を生かしつつ、驚きまで表現する」。それが佐々さんの志す中国料理。

普通は鮮魚で行う清蒸(チンジョン)を里芋に施したり、ラーメンを鮎で仕立てたりと発想は柔軟。

右上.栗がまとめ役になる「舞茸とゴボウの春捲」。左上.蒸した後で香ばしく焼く「焼里芋」。左下.心地よく苦い「プーアル茶プリン」。右下.鮎の干物でとった出汁に龍井茶を合わせ、鮎の魚醤で調味したスープが秀逸な「鮎ラーメン」。すべてコース全12品(14,300円)より


「今までの経験を応用しているだけ」と語る誠実な人柄も料理に投影されており、素材本来の旨みを丁寧に引き出している。

1万円台で少量多皿にした理由は、「何度でも来ていただける価格で、旬をいろいろと食べてほしい」。だから、折に触れて通いたくなる。

デートで四季の滋味を共有すれば親密度は増す。『Ji-Cube』には、そんな効果もある。

+8,800円で堪能できる種類豊富なペアリング!


シャンパンに始まり、中国酒を必ず含むペアリング。内容はコースによって変わるが、8~9杯を提供する。

取材時は穴子の香味に合わせて、黒もち米で作る黄酒「朱鷺黒米酒」、春巻きにオレゴンのピノノワールなどを提案。

“四川の巨匠”が太鼓判!


師である『4000 Chinese Restaurant』の菰田さんは語る。

『四川飯店』から25年間一緒で、素晴らしいセンスと才能がある料理人です。場所柄からすると決して高くない価格で、皆さまに喜ばれる料理をこれからも作ってほしい」

佐々友和シェフは、「食材の高騰もありますが、いろいろな人に来ていただきたいから、今後もこの価格設定は守っていくつもり。若い方にも、ぜひ本物の美味しさを知ってほしい」と、中華の未来を担う料理人として、期待を集めている。



豪華な中華料理をふたりで楽しめば、心も存分に満たされるはず。

必ずや期待以上のデートとなるだろう。


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