大人の隠れ家とは、立地、空間、料理のすべてが上質かつ秘めやかであるべきだ。
本日ご紹介するのは、そのすべてを持ち合わせた最上級のレストラン。
港区・元麻布にひっそりと構え、その存在はこのエリアを知り尽くした大人のみに知れ渡る。
記念日や誕生日など、とっておきのデートの切り札として、自信をもって恋人をエスコートできる一軒だ。
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
静寂の暗闇坂をのぼるごとに、期待値が高まっていく
夜の帳が下りても、麻布十番の賑やかさはそう変わらない。しかしながら、暗闇坂へと折れれば、そのムードは一変する。
坂を進む者は、その先を知る者だけ。見えなくても肌で確かに感じる、元麻布という地場が放つ凛とした空気。
その静かな“圧”に怯むことなき大人だけがたどり着ける隠れ家。それが『ノセ サヴォアフェール』だ。
坂の麓から店まではほんの30秒。だが、このアプローチなくして秘めたる夜は始まらない。
視線の先で妖しく輝く、高級車のテールランプに導かれるように進んだその先で、最上級の隠れ家が静かにふたりの訪れを待っている。
暗闇坂に溶け込む、グレーを基調にしたデザイン性の高いファサードのビル。
その1階にあるこのフロアサインが、店を示す目印。2階の重厚な扉が目的地だ。
美しき空間がふたりにもたらす、静かな高揚感がいい
落とされた照明の下、黒檀のカウンターが放つ深い光沢がふたりを包み込む。
9席限定というミニマルな空間は、細部に至るまでダークなトーンで統一され、漆黒の“闇夜”といった趣だ。が、その暗がりが妙に心地よい。
乾杯のシャンパンを飲み終わる頃には、厳かな空気に柔らかさが加わり、上質ながらも寛いだ雰囲気が店を流れる。
「お客さまが入って、初めて完成する空間にしたかった」と、この店の主人、能勢和秀さん。
日本のフランス料理界のレジェンド、志度藤雄氏の最後の弟子である彼の集大成として結実した空間は、そのすべてが艶やかだ。
封蝋印が押されたメニューには、シェフのサインとその日のコースの構成が書かれている。
ディナーコースはおまかせ(30,000円)のみ、ペアリングも可。