吉田 類vs大竹 聡 粋人に訊く酒場指南 Vol.1

1杯目

酒のみならず肴も旨い、
お腹も満足な酒場を知りたい!

毎日、早くから肴を仕込むご主人の中川尚氏

オデン ナカガワ

おでん 中川

おでんはもちろん、何を食べても旨い!
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「万願寺を焼きましょうか」。そう言って、ご主人が取り出した鰹節の削り器。シャカシャカと小気味よい音を立てた後で、焼き上がった皿に粉をパラリ、醤油をタラリ。「削りたてはやっぱり香りが違いますから」。

今年で20周年を迎えたおでん屋さんだが、カウンターに並ぶ、その日のおつまみも秀逸。「9品ぐらいでしょうかね、毎日のように行く河岸と、それから毎週、野菜を送って下さる農園がありまして、その日の素材で、手作りを心掛けて仕込んでいます」。それらを盛り合わせてもらい、その皿だけを肴にお酒を飲んでも十分。もちろん、おでんだって言わずもがなの旨さで、出汁は関西風で淡麗上品。タネもできる限り、ご主人自らが手をかけている。「つみれはイワシだけです」とキッパリ。

ほかにも「半熟になるよう一生懸命作った」玉子天のバクダン、鶏挽肉と玉葱の入ったキャベツ巻き、海老と魚のすり身を詰めたしいたけ揚……。

どれも心と体にズンと沁みる味。寒くなる、これからの時季にフラリと足が向いてしまいそう。〆には名物、“かけめし”をぜひ。ガード下に名店あり。それは事実と実感できる。

左.「おでんは自分で工夫され、肴も手作り。刺身もその日の築地の良いネタです」

右.おでん各¥100〜200

バクダン、大根、しいたけ揚、つみれ各¥200

バクダン、大根、しいたけ揚、つみれ各¥200

左.鮎の一夜干¥400。自分で開いて干す。「今は鮎だけど、冬はヤナギガレイで作ります」

右.かき揚¥400。この日は芝海老とホタテ。揚げた後に甘辛く煮付けている

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