今となっては昔のことですが、港区に沙羅という女が生息していました。
「今夜、食事会あるんだけどどう?」と言われれば飛び入り参加して、必死に“彼氏候補”を探したものでした。
ある日、ようやく彼氏ができて食事会に行かなくなりましたが、その彼にも…。
残念に思って2年半ぶりに港区へ近寄ってみると、そこには以前と全く別の世界が広がっていたのです。
▶︎前回:先日、婚約したばかりの女が調子に乗って…。彼氏に内緒で出没していた“ありえない場所”とは
「沙羅、新しい家は決まった?」
ソファで寝っ転がっていると、元カレの裕二から声を掛けられ、思わずガバッと体を起こした。
同棲中にフラれた私は、新しい家が見つかるまで居候させてもらっているのだ。
「うっ…。ごめん、探してるんだけどなかなか見つからなくて」
「まあ、家......
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