2022.05.01
天敵な女 Vol.1―…私はあんたより上よ。
東京の女たちは、マウントしつづける。
どんなに「人と比べない」「自分らしく」が大切だと言われても。
たがが外れた女たちの、マウンティング地獄。
とくとご覧あれ。
凜香:「次の一手」
「キャー!!凜香~!!!」
「こっち見て~!」
「凜香!凜香!凜香!凜香!凜香…」
私がひとたびステージに現れるだけで、会場は熱狂の渦に巻き込まれる。
私はただ、そこに佇んでいるだけ。
「みんな~、今日はありがとう~!!」
言葉を発すれば、その熱狂にはさらに拍車がかかる。
「今日は楽しんでいってくださいね。では、聞いてください」
大きな黄色い声援に包まれ、数万人から憧れの眼差しで見つめられ、歌って踊る。最高に気持ちのいい瞬間。
この感覚は、私を最高に満たしてくれる。
ほとんどの人間は、こんな快感を知らないままに人生を終えるなんて…。私には考えられない。
私の承認欲求はSNSなんていうチープなものじゃ、とてもじゃないけど満たされない。こうやって、身をもって体感しなければ。
けれど、もう27歳―。
アイドルとしての寿命が差し迫っているということは理解している。
だから…。
次なる手を考えているのだ。
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