ゴシップな女ー嫌われ者のカレンが死んだー Vol.12

SNS女王の“形見分け”の真の目的とは…?「ゴシップな女ー嫌われ者のカレンが死んだー」全話総集編

見栄と承認欲求で作りあげられたインターネットの世界。

ここでは誰もが『なりたい自分』になれる。

ハイブランドで全身を包み、華やかな日々をSNSに公開していた謎の女・カレン。

そんな彼女が、突然、この世を去った――。

死によってあぶり出される『彼女の本当の姿』とは…?

「ゴシップな女ー嫌われ者のカレンが死んだー」一挙に全話おさらい!

第1話:画像加工とブランドに彩られた、SNS女王の哀れな最期

玲香は青山にある美容皮膚科の看護師をしながら、たまにモデルの仕事をしている。六本木や赤坂で開催される夜の集まりに、“華”として誘われることがよくある。

噂のカレンとは、3年前にとあるパーティーで出会った。同じような状況で何回か会い、話をしたこともある。その縁でInstagramでもつながっていた。

しかし、彼女が亡くなったことを聞いても、玲香は不思議と「ああ、そうなんだ」としか感じられなかった。

彼女の死を悼みはするが、それはTVニュースで知る有名人の訃報と同じ。SNS上では“友達”だったが、カレンは謎めいた、遠い存在だったのだ。

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第2話:夜の港区から突然姿を消したセレブ美女。遺された家族の言葉に違和感を感じた友人は…

「姉の遺言、なんです。形見分けは玲香さんにお願いしてと」

勘弁してほしい、そう思ったのは言うまでもない。想像していたお別れ会の幹事よりはマシだが、それでも面倒な役回りである。しかしなぜ自分なのか……。

― まさか、時間がありそうだから、と思われているのかしら?

確かに玲香は六本木界隈の食事会参加率は高い方だった。しかし、美容皮膚科に看護師として勤務し、その上でモデルの仕事が入ることだってある。恋人もおり、暇人だと思われることは心外だ。

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第3話:友人にあげたバーキンがフリマアプリで売られてる…!それでも女が怒りを飲みこんだワケ

芽衣らをカレンのマンションに招待した数日後。玲香は何げなく開いたフリマアプリで、見覚えのあるバッグを見つけ驚愕した。

「これ…カレンのバーキンじゃない」

サイズも素材も部屋にあったものと同じ。恐らく芽衣が出品したものだろう。出品価格は300万円を超えている。相場として少々高額なところも釈然としない。

形見分けの作業の際、芽衣が真っ先に手にしたのがカレンのバーキンだった。彼女と一心同体だったバッグを芽衣に渡すのは複雑な心境だったが、だからと言って断ることもできなかった。

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第4話:人気インフルエンサーがまさかの身分詐称。どうしても隠したかった過去の姿とは…

― カレンはなぜこの場所を手に入れられたのかな。

改めて思う。インテリアだけでも数千万はするだろう、この部屋。そしてここにあるバッグや洋服、ジュエリーをすべて含めると、数億円はくだらない。

支援者ではなく他界している両親の遺産という線も浮かんだが、妹・明奈の「こういうものとは無縁で価値がわかりません」という発言から、実家が太いわけでもなさそうだ。もちろん、カレン自身が事業をしていたなどと聞いたことはない。

部屋の中をぐるりと眺めると、隅に目立たぬよう置かれたブラックのチェストが目に入った。

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第5話:真面目な地方の地味女が突如、インスタセレブ美女に大変貌。彼女を変えた理由とは

「すごいー!おしゃれなお店ですね!」
「ありがとう。青山支社に勤めているとき、ランチでよく使っていたのよ」

小夜子は優しく微笑んだ。この店には、当時同僚だったカレンこと中田房子とも一緒に訪れたことがあるという。

「カレ…いや、房子さんとはどのくらい一緒に働いていたんですか?」
「2年ほどかしらね…。彼女、最初はパートで入ってきたの。そのうち契約社員になったんだけど、1年で契約更新せずに辞めちゃった。2017年頃かな」

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第6話:恋人にも見放され、自分の存在価値の無さに絶望した女。衝動に駆られてある行動に…

やはり加賀はすぐに帰ってしまった。玲香はカレンのマンションでひとり、「なぜあんなことをペラペラ話してしまったんだろう」という後悔にさいなまれる。

彼は総合病院に勤務する外科医ということもあり、日々生と死に向き合っている。

そんな彼からしてみれば、故人の家に我が物顔で暮らし、パーティーまで開催する自分は、なんと軽薄で、下衆で、悪趣味な女に見えただろうか。

「もう消えてしまいたい…」

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第7話:悪趣味だと知りながら、消えた友人の過去を探り続ける女。ついにそんな行動に罰が当たり…

「本当にいい人でした。大会の打ち上げで、飲みながら恋愛相談に乗ってもらったこともあったな…。その時に相談していた相手が今度結婚する夫なんです」

自分の周りやネット上では嫉妬からか、嫌われ者だったカレン。今でも元同僚たちから慕われていること、昔は酒が飲めていたことに玲香は驚く。

だが、それ以上に“恋愛相談”という言葉がひっかかった。

― そういえば、カレンは失恋を機に上京したんだよね…。

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第8話:「ポンと300万も出してくれた」出会ったばかりの男に出資を繰り返す美女。真相を探るべく、バーを訪れると…

カレンの支援者だと玲香が踏んでいる有名なアーティスト・森亮輔。現在のポップな作風とは少々異なるので、昔の作品だろうか。

ならば、相当の価値があるはず。ひろみに渡してもいいかどうか、森本人に確認しておいた方がいいだろうと感じた。森に会えば、カレンの死の真相に近づける可能性もある。

…だが以前にも、形見分けの品々を引き取ってもらおうと試みたが連絡のすべが見つからなかったことを思い出した。

なんとか森さんに連絡したい…考えあぐねていると、頭の中にある人物の顔が思い浮かぶ。

「音野さんなら知っているかも…」

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第9話:セレブ美女の遺品から見つかったカルティエのプロポーズリング。贈り主は、恋人ではなく…

「カレンさんって、確かお酒、飲めないんでしたよね」

玲香はジントニックを運んできたバーテンダーに尋ねた。

「たまに嗜む程度に飲まれていましたよ。普段は控えているみたいでしたが」
「へぇ…どうしてだろう」

その言葉を聞き取ったのか、カウンターに座る森の肩がピクリと動く。すると、玲香の前に静かに歩いてきたのだった。

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第10話:小さな町を牛耳る資産家の御曹司と恋仲に…。2人の関係を許さない御曹司の父親が、女に加えた制裁とは

冷めたコーヒーに口をつけると、白衣を小脇に抱えた病院関係者と思しき女がすぐ横を通った。ちらりと見えた名札には『薬剤部 竹脇』とある。

― このお店、病院関係者の御用達なんだ…。

そんなことをぼんやり考えながら、彼女の会計姿を見つめていると、どこか見覚えのあるモノが玲香の目に入った。ジミーチュウの黒いロングウォレット。

持主は、小柄で長い髪を束ねた清楚な印象の女性だった。会計を終えた彼女は玲香の方に一瞬視線を向けた。だが、目が合うとビクッと肩を揺らして、なぜか足早に店を後にした。その不自然さに、玲香も疑念を抱かずにはいられなかった。

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第11話:派手女がひた隠しにしていた残酷な真実。「パトロンを何人もはべらせている」という噂の裏側には…

玲香は東京へ戻ると、すぐにカレンの部屋で彼女のガラケーを見返した。

彼女ががんを患っていたことを念頭に置くと、何気ない妹とのメールのやり取りでも、それをうっすら裏付ける内容のものがあった。

『明日病院行く』『明奈ちゃん。しばらく帰国できる?』『今日もだるい…』

メールの様子が変わったのは2017年2月ごろ。カレンが会社を辞め、港区デビューをする少し前だ。

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