高偏差値なオンナたち Vol.8

「娘には、東大に入ってほしくない…!」東大卒のワーママが身を持って痛感する、高学歴ならではの辛さ

高い偏差値を取って、いい大学へ進学する。

それは、この東京で成功するための最も安定したルートだ。

…あなたが、男である限り。

結婚や出産などさまざまな要因で人生を左右される女の人生では、高偏差値や高学歴は武器になることもあれば、枷になることもある。

幸福と苦悩。成功と失敗。正解と不正解。そして、勝利と敗北。

”偏差値”という呪いに囚われた女たちは、学生時代を終えて大人になった今も…もがき続けているのだ。

▶前回:年収3000万の彼からのプロポーズの言葉は「専業主婦になってくれ」仕事をやめたくない女は、結局…


File8. 由紀(37)
娘も私と同じような悩みを抱えてしまうの?


「ねぇ、ママ!このニュースだけど、何でこういうこと起きちゃうのかな…」

由紀は、9歳になる娘の茉莉と一緒にリビングでくつろいでいた。

茉莉は非常に利発で、テレビのニュースに対しても自分の考えを主張してくる子どもだ。

しかし、娘が利発であるということは喜ばしいことだが、由紀はこんな茉莉を見る度に、ついこう思ってしまうのだ。

― 茉莉ってホント、小さい頃の私みたい…。この子もいずれ、私と同じような悩みを抱えて生きていくんだろうな…。



由紀の勤務する外資系証券会社では、昇格者を発表する会計年度末を迎えていた。

人事発表の日。正午を回った時間に社内メールで発信された昇格リスト。

それを見た由紀は、愕然とした。

「今年こそ、絶対にヴァイスプレジデントにプロモーションするんだ!」

この目標に向かって、この1年間突っ走ってきたと言っても過言ではない。

それにもかかわらず、昇格リストに自分の名前を発見することができなかったのだった。

数年前までの由紀は、同期にも圧倒的な差をつけたスピードで昇進していた。

しかし…いつの間にか、昇進が少しずつペースダウンしてきてしまい、去年はついに、1年後輩の男性社員にヴァイスプレジデントへの昇進で抜かれてしまったのだ。

傍から見たら、昇進の1年や2年の差など、きっと些細なことだろう。

しかし、これまでずっと「私は優秀。ずっと勝ち続けているし、これからも勝ち続ける!」という自負を持ち続けてきたのだ。

そんな由紀にとって、社内の出世コースのトップから外れてしまったという事実は、とてつもなく受け入れがたいものだった。

― どうして?いつから?どこから?こうも人生がうまくいかなくなっちゃったんだろう…。

人生の歯車が、少しずつ、しかし確実に狂いはじめていることを、由紀は無視できないでいた。

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