推す女 Vol.3

年収600万以上なのに貯金50万以下の28歳女。誰にも言えない“あるモノ”にお金を費やしていて…

どんなに手を伸ばしても、絶対に届かない相手を想う。

でも、その距離感さえ愛おしく感じる。

彼女たちが抱く想いは、憧れか、依存か、それとも本物の愛か?

結ばれることのない相手に人生を捧げる、女たちの心情を紐解いていく。

これは、「推し」がいる女たちのストーリー。

▶前回:妊活していると言いながら、ピルを飲み続ける33歳女。夫に言えない、驚愕の真相とは


浪費しすぎて、貯金がない女・松下友梨佳(28)【前編】


「松下さん、本当に料理上手だよねぇ。その女子力憧れる」

昼休み。私がいつものようにデスクでお弁当箱を広げていると、隣の席に座る女の先輩がこちらを覗き込んできた。

このご時世で、まだ“女子力”なんて古い概念を持ち出してくる人がいるのか、と心の中でツッコミながら「いやいや全然、手抜きですよ」と答える。

この日は、サーモンとクリームチーズのベーグルサンドに、ポテトサラダとプチトマト。私の言葉は謙遜ではなく、本当に手抜きのお弁当だった。

しかし、先輩は「またまたぁ」と笑う。

「私なんてここ最近、昼も夜も外食かUber Eatsよ。食べる時間もバラバラだし、ジャンクなものに偏りがちだから、健康にも美容にも良くないってわかってるんだけどね」

彼女は前髪をかき上げながら、自嘲気味に笑う。

そんな食生活をしているのにもかかわらず、私より7歳年上で35歳になる彼女の肌がツヤツヤのピカピカなのは、基礎化粧品やエステにお金をかけているからに違いない。

― 前に紹介してくれた行きつけのフェイシャルサロンも、1回の施術が3万くらいだったもんなぁ…。

うちのようなキラキラベンチャー系IT企業に勤める女子にとっては、それが当たり前なのだろう。

でも、美容やランチにお金をかけるくらいだったら…。

私は1円でも多く、“彼”のために使いたい。

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