2013.04.20
オレの、私の、“奢りテク”教えます Vol.4手打そば おくむら
~奢る店選びの条件~
父親に"大人"を伝授された、気負いなく入れる老舗店
後輩には知る限りの“いいもの”を伝えたい
原宿で生まれ育ち、現在も渋谷に事務所を構える小宮山雄飛さんが、高校生の頃から通う、創業33年の老舗そば屋『おくむら』。
仕事の合間に後輩を誘って、おすすめの「せいろ」を振る舞うこともしばしばなのだそう。この日は、小宮山さんと共にポッドキャストの番組でパーソナリティを務める作家の大橋慶三さんと、ミュージシャンのUMUさん、いつもの3人組で来店した。
「ここは親父に連れてきてもらって、本物のそばの味を教えてもらった店。渋谷や原宿もずいぶんと変わり、新しい店も増えましたが、僕に言わせれば渋谷でそばを食べるんだったら、まずはここでしょう、と」。
当時の小宮山さんにとって、ちょっと敷居が高く感じていたこの場所も、今では“奢る”のに、ちょうどいい店になった。旨いそばが食べられるが、いわゆる高級店ではない。そんな、ほどよい立ち位置のお店だから、どんな相手でも連れて行きやすいのだという。
ここに限らず、人に奢るときの店選びは、父親から教えてもらった場所をチョイスすることが多い。会社に勤めたことがない彼にとって、“奢りの師匠”と言えば父親であり、店選びの目利きには全幅の信頼を置いているのだ。
「門前仲町にも、父親に酒の呑み方を教わった店があって、そこにもよく後輩を連れて行きます。自分が父親の元で味わった感動を、彼らにも伝えたいんですよ!」
そう熱く語る小宮山さんをよそに、日本酒をちびちび、呑気にそばを啜り続ける後輩ふたり。きっとその気持ちは伝わっている、はずだ。
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