あなたは恋人に、こう言ったことがあるだろうか?
「元カレとはもう、なんでもないから」
大人に”過去”はつきものだ。経験した恋愛の数だけ、過去の恋人が存在する。
だから多くの人は、1つの恋を終わらせるごとに、その相手との関係を断ち切っているだろう。
しかし “東京のアッパー層”というごく狭い世界では、恋が終わった相手とも、形を変えて関係が続いていく。
「今はもう、なんでもないから」という言葉とともに…。
◆これまでのあらすじ
千秋は、社内の後輩・健作と婚約中。しかし、2人と同じ会社に転職してきた雛乃は、健作の中高時代の元カノだった。
「今はただの親友」という雛乃の言葉に納得し友情を続ける千秋。だが、過去の思い出と比べられているのでは…と疑心暗鬼になってしまった結果、健作に別れを告げるのだった。
▶前回:周囲から“彼の元カノ”と比較される女。思い出の並木道で女が告げた恋の結末とは
「息を吸って…吐いて…意識を指先、つま先に戻して…」
高い室温と湿度の中、インストラクターの穏やかな声に合わせて、体の隅々まで感覚を行き渡らせる。目をつぶって横になっていた時間は5分にも満たないのに、驚くほど体がスッキリとしている。
ゆっくりと体を起こし合掌で挨拶をすると......
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この記事へのコメント
今は明日花が彼女? や、雛乃の友達かな。
健作くん結婚したんだよって。