絶食系女子 Vol.8

つい反応してしまう元彼のツイート。別れて半年後、メッセージしてみたら意外な返事が

彼氏やパートナーがいる人が幸せって、誰が決めたの?

出会いの機会が激減したと嘆く人たちが多い2021年の東京。

ひそかにこの状況に安堵している、恋愛に興味がない『絶食系女子』たちがいる。

この連載では、今の東京を生きる彼女たちの実態に迫る。

▶前回:美容整形をSNSで逐一報告する29歳女。予想以上にバズり、調子に乗った結果…


後編:自分しか愛せないオンナ・咲子(29)


― この前の肩ボト、良い感じじゃん!

私は鏡の前で首を左右に振り、鎖骨のラインをチェックする。以前よりも肩の張りが軽減され、デコルテ周りがすっきりしているように見えた。

気分を良くした私は、肩と鎖骨のラインがしっかりと出る白のオフショルダーのトップスをチョイス。それに細身のジーンズとヴァレンティノのサンダルを合わせる。

シンプルだけど、スタイルの良さが際立つコーディネートだ。

今日は、Twitterで知り合った「マコくん(26)」と初めて会う日。

お互い美容を愛する者同士、DMで会話するうち意気投合した。

美意識の高い彼との対面は緊張する。だからこそ絶対に「美しい」と思われたい。

今まで男性には抱いたことがない“ライバル心”のようなものが、マコくんに対して芽生え始めていた。

ゆるくセットしたポニーテールが崩れないよう、店まではタクシーで移動。彼が予約してくれたのは、南麻布にある韓国料理店の個室だった。

美肌に良いと言われる「タッカンマリ」が絶品のお店らしく、さすがは美容男子といったところだ。

私は、完璧な状態をキープするため、何度も手鏡を見ながらこまめにメイクを直す。

― でも、ここまで気合入れていって、マコくんが加工詐欺だったらがっかりだなぁ。

せっかく美容の話を心置きなく楽しめる同志ができたのだ。どうせなら、彼も美しくあってほしい。

そんなことを考えている間に、タクシーが雰囲気の良いビルの前に停車する。店は、どうやらここの地下にあるようだ。

私は胸を高鳴らせて、階段をゆっくりと下りていく。

重めの扉を開き、予約名を告げると店の奥へ案内された。

そして……。

「あ……サキさんはじめまして。マコ、です」

【絶食系女子】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo