まるで我が子を愛でるような眼差しで野菜と向き合う、秋山能久総料理長。その哲学は、長く精進料理の世界に身を置いた経験がベースである。「不機嫌なときや疲れが出ていると、食材と向き合っても邪念がでてしまう」。愛情を持って接しなければ、野菜を活かすことはできないというから不思議なものだ。
1コースの中で約120種もの品種を使うが、そのひとつひとつが口の中で主張し、箸を進めるごとにまったく異なる風味がほとばしる。そんな料理をより鮮やかに魅せるため、照明は若干抑えめ。ここの主役である野菜たちを、鮮烈に、ドラマチックに演出する工夫が、様々な角度から施されている。
採れたて! 初夏野菜のニューウェーブ料理
色彩、食感、味わい豊かな旬の初夏野菜。今食べずして、いつ食べる? まだ見ぬ品種、まだ見ぬ調理法を駆使した、新しい食文化の波を味わい尽くそう
この連載の記事一覧