へんなかねもち図鑑 Vol.10

なかなか出会えない、2.5%の富裕層たちは…?「へんなかねもち図鑑」全話総集編

アッパー層が集結する街・東京。

その中でも特に裕福な、純金融資産“1億円”以上の富裕層はどのくらいの割合か、ご存知だろうか?

ある統計によると 「日本の全世帯のうち2.5%程度」というデータがあるらしい。

なかなか出会えない、2.5%の富裕層たち。

レアな生き物である彼ら"かねもち"たちの、ちょっと変わった生態を覗いてみよう。

「へんなかねもち図鑑」一挙に全話おさらい!

第1話:「ネイルが紹介で半額♡」の罠。富裕層が支払う本当の“お友達価格”とは

透き通るような優しい声で私に声をかけてきてくれたのは、OJT担当の茉莉花さん。

私より5歳年上の32歳。でも、若造りするでもなく30代らしい大人の女性の美しさがあって、美女ぞろいの秘書室の中でも飛び抜けて目立つ存在。憧れの女性だ。

「茉莉花さん…。いえ、悩んでるのは仕事のことじゃなくて」

― どうやったら、茉莉花さんみたいに素敵な女性になれるんですか?

そう言おうとして、慌てて口をつぐんだ。こんなこと後輩から打ち明けられても、きっと茉莉花さんを困らせちゃうだけ。だって、理由はわかりきっているのだから。

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第2話:30億稼ぐ投資家の自宅に誘われて行ったら…。ドアを開けた瞬間に見てしまった、まさかの光景

保土ヶ谷の実家と慶應SFCを往復するだけの3年間。この1年は授業もリモートばっかりで、やっと出た内定先もショボめの中堅メーカー。

そんな神奈川の片田舎で燻る女子大生にとって、今の状況はまるでおとぎ話みたいな展開。なにせ“億り人”な天才投資家・マナブさんから、家デートに誘われたのだ。

― まさか3ヶ月前の出会いから、こんなことになるなんて…!

高層階へと急上昇するエレベーターの中で、私はマナブさんとのちょっと特殊な出会いを思い返していた。

第2話の続きはこちら

第3話:“ある失言”で、その場が静まり返り…。由緒正しき名家との婚約顔合わせで起きた事件

「織絵さんのような清楚で素敵な女性がいるなんて、早稲田もまだまだ捨てたもんじゃないね。バンカラだった僕の時代とは大違いだなあ」

そう言って、かばちゃんのお父様とお母様が朗らかに笑う。ご両親の両隣に寛いで座っているお兄様も弟さんも、優しい微笑みを浮かべていた。

和やかな雰囲気に、ガチガチの緊張がほんの少しだけ和らぐものの…。私は隣に座るかばちゃんと視線を合わせて笑いながら、心の中で叫び声を上げる。

― かばちゃん~!ご実家のお金持ち具合、聞いてたよりもだいぶ凄いんですけど!?

第3話の続きはこちら

第4話:年商100億円の経営者が「世界イチおいしい」と喜ぶ、信じられない値段のランチメニュー

「もうすっかりお昼時ですね。このあとはどこかランチへ行かれるのですか?」

時刻は11時50分。そしてここは、大人のグルメの街・銀座。笠原様ほどの食通な富裕層がどんなランチをされるのか、単純に興味があった。

「そうか、もうそんな時間か」

笠原様はしばらく考え込んだかと思うと、ふいに瞳を輝かせる。

「そうだなあ…。僕が、世界で一番うまいと思っているものを食べに行こうかな」

第4話の続きはこちら

第5話:大物芸能人を親に持つ、傍若無人な“ボンボン”たち。歯止めがきかない彼らを黙らせる秘密兵器とは

立教大学の入学式で意気投合してから、かれこれ10年経つが、最終的にはいつもこうして丸め込まれてしまうのだ。

「はぁ…。もう、愛想良くするのは今日この場でだけだからね。デートにつながらなくても文句言わないでよ」

しぶしぶそう答える私に、紗南はとびきりの笑顔で「分かってるって!」と言う。そのとき、キッチンでヒソヒソ話をする私たちにむかって、ダイニングの方から明るい声がした。

「紗南!恵美香ちゃん!はやくこっちおいでよ〜」

第5話の続きはこちら

第6話:中卒の経営者が、まさかの年収1億に…。そんな男が惜しみなく金をつぎ込むモノとは

岩田社長は、かなり特殊な経歴を持つ経営者だ。学歴は高校中退。元ボクサー。

でも、持ち前のガッツとユーモアでコンサル兼コンテンツ制作会社を起業し、最近ではVRコンテンツ制作を手がけるなど、このコロナ禍でも確実に業績を伸ばしている。しかも高学歴とは言い難いはずなのに、博識なのだ。

「健全なる精神は、健全なる身体に宿る」という言葉を座右の銘とし鍛え上げられた肉体は、とても47歳には見えない。

今の奥さんは5回目の結婚相手。社員を“家族”と呼んで、成長をリードしてくれる懐の深さ。社員を守るために、どこよりも早くテレワークを導入してくれた。

第6話の続きはこちら

第7話:4億ドルを売り上げる女性デザイナーがいきなり…。高級ジュエリー店で見せた不気味すぎる態度

独自のニュアンスで励ましてくれるEricoさんは、太陽よりもまぶしく輝いている。“ニューエイジアパレル界の新星”と呼ばれ、欧米を中心に4億ドルもの売り上げを誇る彼女の前では、きっと困難の方から逃げ出してしまうに違いなかった。

「うう…。ありがとうございます」

励まされてもなお不安げな私に、Ericoさんは何かを企むような瞳で言葉を続ける。

「ねえ一花。オフィスへ戻る前に、ちょっと寄りたいところがあるの。一花の明日がより素晴らしいものになるためのおまじない。ジュエリーを買ってあげるわ」

第7話の続きはこちら

第8話:まるで姉妹かと見紛うほど、若く美しい母と娘。2人は莫大な資産を守るため、まさかの行動に…

― それにしても、本当にかわいいなあ。

12歳下の彼女ということもあってか、正直、年甲斐もなく可奈に夢中になっている。

朝の代官山は人通りも多く、行き交う女性たちはみなスタイリッシュ。そんななかでも彼女のかわいらしさは、贔屓目なしに群を抜いているように見えた。

そう。今、目の前から歩いてくる美女よりも。

…そんなことを考えていたとき。ニコニコと微笑んでいた可奈が、前方の美女を怪訝な目つきで捉えたのだ。

第8話の続きはこちら

第9話:「年収7,000万でもサブスク使うの…?」美容クリニック経営医師の、超贅沢なカネ遣いの実態

本当の高収入男性が、時々こうして実際よりも低い収入を自称するのは、マッチングアプリあるあるなのだ。

― よし。もう少し深く会話して、確かめてみよう。絶対おかねもちに決まってる!

実家がお金で苦労したから、絶対におかねもちと結婚したいと決意している私は、確証を得るために今度はさりげなく周平さんを質問攻めにする。

でも彼との会話を進めるうちに、感じ取ったはずの確信は、だんだんと揺らぎ始めてしまったのだった。

第9話の続きはこちら

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