アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜 Vol.3

「男の人と付き合うと、いつも…」才色兼備なハイスペ女子が、絶対に半年以内で別れてしまう理由とは


舞のはしゃぎっぷりに、紗和は一呼吸置いて、苦笑しながらこう言った

「舞が幸せそうで、私も嬉しい。でもなんだか……まるで、尊敬する上司について語っているみたいよ」

神妙な顔でそう語りかける紗和に、舞は目をキラキラと輝かせながらうなずく。

「たしかに!私、今までで出会った男性の中で、修司さんのことを一番尊敬してるもの。あーあ、私の無能な上司がいなくなって、本当に修司さんが上司になればいいのに〜!」

久々の恋愛に浮かれきっていた舞は、そういっておどけて見せた。この時の舞は、紗和の言った言葉の意味を全く理解していなかったのだった。



それから3ヶ月が過ぎようとしていたある日。

朝からオフィスで次の広告の企画書作りをしていた舞は、オープンスペースでコーヒーを片手に一息ついていた。

― ふう…少し休憩でもしますか。

のんびりとソファでくつろいでいると、周囲の会話が否が応でも耳に入ってくる。

オフィスで飛び交う、何気ない会話。このとき舞の耳に飛び込んできたのは、近くにいた1人のエグゼクティブと、そのアシスタントのやり取りだった。

「この記事、要約を書いてくれないかな」

「承知いたしました。いつまでにご入用ですか?」

「明日10時からのクライアントミーティングで使いたいんだ。メンバーも今手一杯で、他に頼める人いなくて。あぁ、あと、商談中のクライアントと会食するんだけど、オススメのお店あったら教えてくれないかな。できれば和食で」

「パレスホテルの『和田倉』はいかがでしょうか。もちろん個室で手配できます」

なんの変哲もない上司と部下の会話を耳にしながら、舞はコーヒーをすすって考える。

― あのアシスタント、先日は定時直前に頼まれた資料の英訳のために遅くまで残業していたっけ。よくもまぁ、あんなに働くわね…。

アシスタントを半分見下しながら、ぼんやりとその様子を見つめていた、そのとき。

舞はふと、あることに気がついた。

ゆっくりとひざの上へと下ろしてきたコーヒーの黒い水面に、自分の顔が映り込んでいる。

― あれ?私…。こんな会話、最近したような気がする…?


エグゼクティブとアシスタントの、ビジネスライクなやり取り。

その内容が、日頃から修司と舞の間で繰り広げられる会話とまるで同じであることに、舞はたったいま気がついてしまったのだった。

よく考えると、付き合って3ヶ月経つというのに、修司から「可愛いね」「頑張り屋だね」と言われ......


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