アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜 Vol.1

アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜:「年収900万なら離婚」自分より低収入の夫をクビにした妻

隣にいるべきなのは“私に相応しい男”


<雄介:やっぱり、離婚は考え直してもらえないかな?>

スマホに浮かび上がる、夫からの未練がましいメッセージ。内容は先週末に佳奈子から切り出した離婚についてだ。

<佳奈子:弁護士を通してください>

佳奈子は冷めた感情のまま機械的に返信を打つ。そして、心の中で悪態をついた。

― たった900万しか稼がない男のくせに、図々しい…。

雄介と結婚するときにわずかだった給与の差は、年月を重ねるほどにみるみると大きくなっていった。

夫として、娘の父親として、人として、雄介にはまったく非がないことは分かっている。

しかし、自分はメディアから取材を受けるようになるまで上り詰めた女。「給与が自分よりも格段に低い夫」という事実は、雄介に男性的魅力な魅力を感じなくなるのに十分すぎる理由だったのだ。

こんな物足りない男じゃなくて、私にはもっと他に相応しい相手がいるはず。

そう確信した今、慰謝料も養育費もいらないからとにかく早く別れたい。

取り付く島もない佳奈子の態度に雄介がついに離婚を承諾したのは、それから半年後のことだった。



「じゃあ、お母さん。今夜も凛の面倒よろしくね。立場上、仕事の会食とか色々あって。私1人だし大変なの」

晴れて独身となった佳奈子は、軽やかな足取りで玄関に行き、ジミーチュウのパンプスを履く。

何かもの言いたげな実母の視線を背中に感じたが、振り切るようにしてドアをバタンと閉め、オフィスへと向かった。

平日の夕方から娘の面倒を見てくれていた雄介はもういない。そのかわりに実母が面倒を見るのは、佳奈子にとっては当然のことだった。

― だって、私はもっといい男と再婚するために雄介と離婚したんだもん。

もちろん、本当に仕事や会食で忙しい夜を過ごすこともあった。だが実のところ、ここ最近佳奈子の帰りが夜遅くなる理由は、再婚に向けた出会いの場に積極的に参加するためでもあったのだ。


しかし、それからの日々は、佳奈子にとって大きな誤算ともいえるものとなった。

― 雄介よりもハイスペックな相手なんて、すぐに見つかるわ。

そう思っていたのに、再婚相手探しは全くといっていいほど進まなかったのだ。

「へぇ〜。佳奈子さん、外資証券のディレクターなんだ!年収......


【アイ・ニード・モア〜外資系オンナの欲望〜】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo