福澤 朗の「日本酒カレンダー」 Vol.3

シュサロン

酒茶論

【 今月のお題 】
海外ではSAKEオールド。
日本酒の古酒とは?

curated by
福澤 朗

年代物の酒が尊ばれるのは、洋酒に限った話ではない。実は日本酒も江戸時代までは古酒が珍重され、いま復権の時を迎えている。今回訪れたのは長期熟成日本酒BAR『酒茶論』。歳月を経て、味も色も深みを増した日本酒は、驚くほど料理との相性がいい。「チョコレートなど甘いものにも合うんです」と左党にして甘党の福澤氏。

勧められるがままに呑み、呑むたびに目尻を下げる。が、百楽門を口に含むと、一瞬遠い目に。

「このお酒が醸されたのは、僕が日テレに入社する前の年。劇団の正団員になれず、大学で単位を落とすことも許されず、精神的に追い込まれてました。あの苦労を思い出しながら呑むとジーンときますね。色々あったな、崖っぷちを経験しておいてよかったな、と」

今日イチ!と叫んだのがサンロック。アルコール36度、蔵元で長年眠っていた曰く付きの酒だ。

「古酒として造られていないのにこの味とは。例えれば三國連太郎さんですか。若い頃は奇人、晩年はひと言に重みがあって。偶然が生み出した、奇跡の産物ですね」

琥珀色の日本酒は、実に深淵。新たなファンを獲得しそう。

右.百楽門 長期熟成酒/葛城酒造醸造年度は1987年。無濾過本醸造酒を蔵内でじっくりと熟成させた逸品。「角が取れて厚みが増した味。初めて古酒を飲む人にも勧めたい」と福澤氏



左.サンロック/英君酒造ウイスキー全盛の1968年、ロックで飲める日本酒を目指したアルコール36度の稀有な清酒。販売終了した幻の酒だが、酒茶論で飲むことが可能

●ふくざわあきら
日本テレビ入社後、アナウンサーとして活躍。2005年にフリーに転身、現在「真相報道バンキシャ!」に出演中。筋金入りの日本酒好きで、日本酒好感度アップに尽力!

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