
いまも昔も変わらず、日本人は洋食が好きだ。子どもの頃に食べた思い出の味だから、とか、ごはんによく合う“おかず”だからとか人によって意見はそれぞれだが、洋食という言葉には、なぜか胸が焦がれる響きがあるように思う。
東京の洋食文化をささえてきた『レストラン七條』が、ビルの建て替えにともない移店したのは、今年の3月。海老フライやクリームコロッケ、ビーフカレーなど、昔懐かしい洋食メニューが食べられる店として有名だが、ディナー時には純血バスク 豚肩ロースのポワレ シャルキュティエール風といった、フレンチのエッセンスを取り入れた料理もお目見えする。
メインは圧倒的に肉メニュー率が高め。というのも、店主の七條清孝さんは、フレンチ界の“ニクヤキスト”こと、北島素幸シェフのもとに3年間通い続け、その技を間近で学んだ経験も持つ。
「肉は焼くんじゃない。温めるんだ」という師の教えが心に息づいてるのは、写真の仔羊背肉のローストを見ても一目瞭然。断面は美しいロゼ色をしており、噛めばラムの風味がぶわっと口中に広がる。もちろん夜でも洋食のオーダーは可能。〆にハヤシライスなんてなかなかオツじゃないですか!